柔らかいロボットへの道
われわれはゴツゴツとしたメカニカルな外観のロボットに慣れ親しんできたのだが、ロボット研究の世界には、別の流派も生まれている。
カリフォルニア大学バークレー校バイオエンジニアリング学部の研究者らが、光に反応して動く素材を開発。フニャフニャ、ムニュムニュとした手触りの柔らかなロボット開発に利用できると、話題になっている。
この素材は、弾性のある合成タンパク質とグラフェン(炭素を組成する原子1個分の厚みの炭素シート)を合わせたもの。これに近赤外光をあてると、グラフェンが発熱し、その熱が合成タンパク質に伝わり、合成タンパク質は熱くなると水分を出し、冷めると水分を吸収する。植物の細胞が伸びたり縮んだりするのを模倣でき、両面で素材の密度を変えることで、生き物のように動かすことができる。
この素材は、ロボットの柔らかな部品として用いられることも予想されるほか、体内のドラッグ・デリバリーや再生医学での応用も期待されるという。