採血ロボットの登場
シリコンバレーのスタートアップが、人の腕から採血できるロボットを開発中という。『IEEEスペクトラム』が伝えている。
この会社ヴィーボットは、特に毎時間10数人ペースで採血作業をする臨床試験現場や研究の場での利用を想定して、このロボットを考案した。腕を固定すると、カメラが捉えた画像と解剖学モデルを照合して目標の血管を特定した後、超音波で血流の強さを確認。その後、ロボットアームが向きを調整して採血針を差し込む。ここまで約1分でできるという。人間がやるのは、試験管を付け替えるだけだ。
現在のところ、ヴィーボット社のロボットは83%の確率で最適な血管を特定でき、これは人間のテクニシャンと同程度。同社はこの数字を90%まで向上させ、安全性と労力の面で人間に置き換わるロボットとして完成させたいという。
アメリカだけでも、採血作業は年間10億回も行われ、これだけで90億ドルの市場。静脈注射は2億5000万回も行われているという。人々がロボット採血を気味悪がらなければ、大きな可能性のあるロボット市場だ。