アーカイブ: ボルトio

「家庭用菜園のためのロボットも出てくるでしょう」。グリシン・ロボティクス社ヴァレリー・コミッサロヴァ氏インタビュー

ロシアを拠点にするグリシン・ロボティクス社は、いち早くロボット分野への投資を目的に設立されたベンチャーキャピタルである。創設者のディミトリ・グリシン氏は、ロシアのインターネット会社Mail.Ruを設立した人物で、ロボットへの関心が高く、個人資産2500万ドルを元に投資を行っている。同氏についてはロボニュースでも以前取り上げたことがある。

グリシン・ロボティクスは、起業したばかりのスタートアップへのシード投資が中心で、対象は一般消費者向けのロボット会社。現在同社が投資しているスタートアップには、ナノサティスファイ社(極小衛星を製造)、ロボッツアップス社(ロボットのためのアップ・ストアー)、ダブル・ロボティクス社(iPadを利用したテレプレゼンス・ロボット開発)、スヴィヴル社(被写体に合わせて動くビデオ・キャプチャ技術開発)、ボルトio(ハードウェア・インキュベーター)などがある。

先頃『ロボビジネス2013』会議に参加し、いくつかのパネルでモデレーターも務めていた同社の事業開発ディレクター、ヴァレリー・コミッサロヴァ氏に、グリシン・ロボティクス社の投資ビジョンなどを尋ねた。

グリシン・ロボティクス社事業開発ディレクターのヴァレリー・コミッサロヴァ氏

グリシン・ロボティクス社事業開発ディレクターのヴァレリー・コミッサロヴァ氏

続きを読む

ロボットのベンチャー・キャピタリスト、ディミトリ・グリシン氏

ボストンやシリコンバレーでも、ベンチャー・キャピタリストがロボット分野に注目し始めているが、ロボットだけに特化して投資を行うベンチャー・キャピタリストがいる。ロシア人のディミトリ・グリシン氏だ。

グリシン氏は、ロシアのインターネット会社Mail.Ruの共同創設者で、現在CEO。ベンチャー・キャピタル会社のグリシン・ロボティクス社は、個人資産2500万ドルを元にして、起業されたばかりの会社にシード投資をする。パーソナル・ロボットが中心だ。

ディミトリ・グリシン氏(photo: Mail.Ru)

ディミトリ・グリシン氏(photo: Mail.Ru)

そのグリシン氏が、『ウォールストリート・ジャーナル』でインタビューに答えている

同氏は、ロボットがいる未来小説が本当のことになるのは予想以上に早く、今こそ、アイデアをビジネスにすべきだと言う。ハードウェア部品のコストも低くなり、3Dプリンターで安くプロトタイプを作ることもできるからだ。初期の投資額も50万ドル以下で済み、これはクリーン・テクノロジー業界などの新興企業への投資よりは、ずっと少ない額だという。

同氏が現在投資しているのは、以下の5社:

ナノサティスファイ社: 極小衛星を製造

ロボッツアップス社: ロボットのためのアップ・ストアー

ダブル・ロボティクス社: iPadを利用したテレプレゼンス・ロボットを開発

スヴィヴル社: 被写体に合わせて動くビデオ・キャプチャ技術

ボルトio: ボストンのハードウェア・インキュベーター

同氏は、ロボット革命の中心地となるのはシリコンバレーだと予測している。その理由は、デザインの伝統があること、メーカー・ムーブメントに見られるようにモノ作りをする人々が多くいること、他国から移住するイノベーターのあこがれの地であることなどだ。

同氏のところには、投資依頼がたくさん来るが、アメリカを別にすると、ヨーロッパ(特にロンドン)や中国が多いという。日本はもっとリードすると思っていたが、本物のビジネスにするよりは、ヒューマノイドを作ることの方に関心があるよう、と見ているようだ。

「これだ!」というビジネス・アイデアのある日本のロボット開発者は、どんどんグリシン氏にコンタクトを取っていただきたいものだ。


Copyright © robonews.net