アーカイブ: バクスター

リシンク・ロボティクス社でレイオフ

「ボストン・グローブ」紙が、リシンク・ロボティクス社でのレイオフを伝えている

記事によると、リシンク・ロボティクス社は90人いた従業員のうち21人をカットした。同社は、工場で人と並んで働くロボットとして知られるバクスターを開発、製造する。創業したのは元MIT教授のロドニー・ブルックス氏だ。

リシンク・ロボティクス社のバクスター(http://www.rethinkrobotics.com/より)

リシンク・ロボティクス社のバクスター(http://www.rethinkrobotics.com/より)

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スタンフォード大学の教授たちによる、バクスターのケース・スタディー

バクスターを開発するリシンク・ロボティクス社のビジネスモデルとテクノロジーなどをまとめたケース・スタディーが、今年6月に出ていた。スタンフォード大学の機械エンジニアリング学部の二人の教授がまとめたもの。

Robot - case_study

但し書きとして、「この論文は、ビジネス面での効果的な戦略を考察するものではなく、学生との論議のベースとなることを目的としている」と記されているが、内容はいろいろ参考になるので、ぜひ目を通されることをお勧めしたい。

概要をお伝えすると、ケース・スタディーでは、会社の沿革、資金調達、経営陣、製品のテクノロジーの他にも、会社としての戦略、今後の可能性、競合などに触れている。

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資金調達をしたロボット・スタートアップが増えている

最近、ロボット関連のスタートアップが新たな資金を調達したというニュースをよく耳にするようになった。出資するのは、ベンチャー・キャピタルが中心のようだ。それらをまとめてみよう。

モノレール上を走行してソーラーパネルの向きを変えるキューボティックス社のロボット(www.qbotix.comより)

モノレール上を走行してソーラーパネルの向きを変えるキューボティックス社のロボット(www.qbotix.comより)

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『ロボビジネス2013』会議レポート<その2> 展示会場で気になったロボットたち

ロボビジネス2013』会期中は、隣接する展示会場で70社近いロボット・メーカー、部品メーカー、スタートアップ、関連出版社などが出展していた。

何と言っても目立ったのは、会場入り口に大きなブースを構えていたスータブル・テクノロジーズ社。この会議のゴールド・スポンサーでもあり、またここに来られない関係者にテレプレゼンス・ロボットのビームをレンタルしていたこともあり、何かと目立つ存在だった。

スータブル・テクノロジーズ社のブース。数10台のビームが会場で待機していた。

スータブル・テクノロジーズ社のブース。数10台のビームが会場で待機していた。

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バクスターの時給は3ドル(300円)? コーロボットの最新状況

カテゴリー: ニュース, ロボット会社

人間のすぐそばで働くコーロボットに関する最新の状況が、『ロボハブ』にいくつか出ていた。コーロボットは、特に中小企業の製造現場で、黙々と働いて生産性を上げると目されているものだ。価格も安く、軽量でフレキシブルに動きを調整できるのが特徴だ。

最近アメリカにも支社を出したデンマークのユニバーサル・ロボッツ社は、すでに世界で3000台を売り上げているという。しかし、アメリカではリシンク・ロボティクス社のバクスターがそれを上回っており、アメリカだけでも毎月60〜100台の同等のペースで出荷している。

バクスターは中小企業だけではなく、学校や研究機関にも売られている。ヨーロッパの大学研究所にも出荷され始めたようだ。バクスターのSDKは現在大学での研究用にリリースされているが、2014年には産業バージョンのSDKが出される予定だ。

またユニバーサル・ロボッツ社は、ヨーロッパから始まり、現在はアメリカ、アジアなどへも販路を広げている。

最近放映されたニュース番組では、ロボットと生産性、労働の関係をとらえ、バクスターのようなコーロボットを採用することによって、今後10年の間にアメリカで300〜500万の新しい職が生まれるとしている。

その理由はこうだ。バクスターは電力やプログラミングなどを合わせてもコストは時間当たり3ドル程度。アメリカでは人間の生産性が高く、そんな人間とロボットを合わせると、中国での製造コストよりも安くつく。人間だけならば中国などの途上国に太刀打ちできないのだが、ロボットを組み合わせると生産性は高くコストは安いという状況が生まれるのである。

10月初頭に放映されたCBSニュース番組ではコーロボットがテーマに

10月初頭に放映されたCBSニュース番組ではコーロボットがテーマに

ロボットは、アメリカの労働を奪うのではないかというのがもっぱらの議論。だが、ロボットと人間を一緒に増やし、両者が一緒に働く最新スタイルの製造現場ができるおかげで、そんな心配も杞憂に終わるかもしれない。

この記事には、実際の工場で稼動しているコーロボットの様子を収めたビデオも載っているので、ぜひご覧いただきたい。

バクスターのソフトウェアが2.0にアップグレード

製造現場で人と一緒に仕事ができるコー・ロボットの代表的存在、リシンク・ロボティクス社のバクスターが、バージョン2.0にソフトウェア・アップグレードされた。アップグレードは、コンピュータやスマートフォンと同様、ネット経由でダウンロードして行われる。

2.0での改良点は、スピードが速くなったことと、どんな角度からもモノをピックアップできるため、多様な動作が可能になったこと。さらに動きがより正確になり、スキャンなどができるようにモノを空中で持ち上げたまま、その位置を保つこともできる。異なった形状を見分ける機能も向上したという。

ビデオを見ると、当初よりもいろいろなタスクをこなせるようになっているのがわかる。同社では、バクスターは「これからもどんどんソフトウェアが改良されることで、投資効果がもっと上がっていく」と強調している。

しかし、このビデオでは作業員にバクスターのアームがぶつかる様子が’わざわざ収められている。ぶつかっても痛くないということだろうか。作業員をあらかじめ感知して、腕を止めてくれないのは確かのようだ。

ますます人間の近くで仕事をするようになるロボット

先だって、デンマークのユニバーサル・ロボッツ社がアメリカに支社を設けたニュースを伝えたが、同社のロボットがこんな風に使われているという記事が『テクノロジー・レビュー』に掲載されていた

サウス・カロライナ州のBMW工場で仕事をするロボット(www.technologyreview.comより)

サウス・カロライナ州のBMW工場で仕事をするロボット(www.technologyreview.comより)

場所は、サウス・カロライナ州にあるBMW工場。これまでの自動車製造工場でのロボットはパワフルで精密だったため、人間が近寄るのは危険とされてきた。そのため、最終的なアッセンブリー作業は多くはまだ人間の手に任されていた。

しかし、この工場では、ドアーに密封剤を取り付けるアッセンブリー作業をロボットが受け持っている。接着剤を塗る作業も含めれば、「毎日、ウィンブルドンの試合を数回こなしたほどの重労働」とのことだ。

BMWでは、さらに新しい可動ロボットをMIT(マサチューセッツ工科大学)の航空学および宇宙学部のジュリー・シャー教授と開発中とのことで、こちらはさらに洗練されたアッセンブリー作業をこなす上、人間の作業員に道具を渡したりするらしい。数年後に導入を計画しているという。シャー教授は、MITのコンピュータ科学および人工知能ラボ(CSAIL)のインタラクティブ・ロボティクス・グループを率いている。

同記事では、リシンク・ロボティクス社のバクスターが、現時点ではアメリカの中小規模の工場で利用され、コンベヤー上で動くものをパッケージするなどの軽作業を行っているのに対して、BMWのロボット利用はもっと重労働の製造作業に組み込まれることを目指していると、その違いを指摘している。

プレゼントの箱からバクスターを取り出す

単純な繰り返し作業を行う産業ロボットとして注目されているバクスターは、研究用にも提供されている。研究用バクスターは通常2万2000ドルで販売されているが、先頃OSRF(オープンソース・ロボティクス財団)が、メーカーのリシンク・ロボティクス社からバクスターを1台贈られたようだ。OSEFのスタッフが、そのプレゼントの木箱を開ける様子がビデオに収められている。

研究用バクスターは、コアになっているソフトウェア・システムは触れられないが、その上の開発用SDKレイヤーはROS(ロボットOS)に基づいていてオープンになっている。ここで外部の研究者や開発者たちに、おもしろいアプリケーションを生み出してもらおうというわけだ。

すでにアメリカの数大学の研究室でバクスターが用いられているらしく、『IEEEスペクトラム』誌によると、周辺のモノを3Dで捉えてデータを蓄積させたり、ヒューマン・インタラククションの研究に使われたりしているようだ。リシンク・ロボティクス社の説明には、「深夜の研究のお伴にぴったり。しかも夜食のピザを食べなくても働きます」と書かれている。

新たな研究からどんなアプリケーションが出てくるのかも興味深いが、ロボット・メーカーが自社のハードウェア上で動くソフトの部分で、外部研究が入り込む余地を設けておくというモデルも面白い。アンドロイドOSのスマートフォンのように、アプリを開発するディベロッパーたちが続々と出てくる時が来るかもしれない。

「日本人はロボットのアーリー・アダプターになる」。SRIロボティクス・プログラム・ディレクター リチャード・マホーニー氏インタビュー

SRI(スタンフォード・リサーチインスティテュート)インターナショナルは、政府機関や企業から受託して、先端技術に関わる研究開発やそのサポートを行う非営利組織である。シリコンバレーのメンロパーク市に拠点を持ち、研究開発内容は生物科学、医学、宇宙工学、素材産業、情報システム、コンピュータ科学、環境科学など多岐にわたっている。

ことに、ロボット開発の歴史は長く、現在もエンジニアリングR&D部門のロボティクス・プログラムに引き継がれている。有名な手術ロボットであるダ・ヴィンチが最初に開発されたのもここで、インテューイティブ・サージカル社は50社以上もあるSRIのスピンアウトのひとつである。

シリコンバレーのロボット業界の中心人物のひとり、SRIロボティクス・プログラムのディレクター、リチャード・マホーニー氏に、ロボニュースがインタビューした。

SRIロボティクス・プログラムのディレクター リチャード(リッチ)・マホーニー氏

SRIロボティクス・プログラムのディレクター リチャード(リッチ)・マホーニー氏

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