アーカイブ: テレプレゼンス・ロボット

ほとんどの人は、ロボット・ドクターの診察に抵抗なし

MITとボストンのブライガム&ウィメンズ・ホスピタルの研究者らが1000人を対象にしたアンケートを行ったところ、ほとんどの人はロボットを介した医師のリモート診断に抵抗がないことがわかった。MITニュースが伝えている

コロナ禍中に、MITおよびブライガム&ウィメンズ・ホスピタルの研究者らとボストン・ダイナミクスが開発した『ドクター・スポット』(news.mit.eduより)
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人を感じさせるロボットは、「暗黙知」を誘い出す。 RP-VITAを訪ねて<その2> UCLAメディカルセンター脳外科ICU取材

何事も現場を見ずには本当のことはわからないものだが、今回のUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)メディカルセンターほど、「見に来てよかった」と訪問中に何度も痛感したのも珍しい。

ここへ見に来たのは、医療用テレプレゼンス・ロボットのRP-VITAである。インタッチ・ヘルス社アイロボット社と共同開発したもので、医師が遠隔地にいても患者の様子を診断でき、可動型なので病院内を動き回り、自律走行もできるというロボットだ。

ロボニュースは、これに先立ってインタッチ・ヘルス社CEOのユーラン・ワング氏にもインタビューをして(RP-VITAを訪ねて<その1>)、このロボットの狙いを学んだつもりだったが、それでも現場に来なければわからないことがたくさんあったのだ。

UCLAメディカルセンター内部を移動するRP-VITA

UCLAメディカルセンター内部を移動するRP-VITA

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アイロボット社が、企業向けテレプレゼンス・ロボットを開発

カテゴリー: ニュース, ロボット会社

先だって、医療現場で使われるテレプレゼンス・ロボット「RP-VITA」を紹介したが、同ロボットにも協力したアイロボット社が、自社製品として企業向けのテレプレゼンス・ロボット「Ava(アヴァ)500」を発表した。発売は、来年初頭という。

Ava 500の開発にあたって、同社はシスコと協力し、安全で高品質の会議システムを自走ロボットに統合している。会議やミーティングなどのコラボレーション、現地視察や工場の監視などの利用が考えられており、高さも人の身長ほどの高さから、デスクや会議テーブルに座った人に合わせた高さまで調整可能だ。

こんな風景が当たり前になる? (写真はアイロボット社提供)

こんな風景が当たり前になる? (写真はアイロボット社提供)

ユーザーは、ロボットに目的地を示すには、コンピュータやiPadを用いて先方の名前を選んだり、部屋の場所をオフィスの地図から選んだりするだけ。社内で空いているロボットが、目的地まで自走していく。その間、ロボットは人や障害物を避け、スクリーンはパブリックモード(顔が映される)、あるいはプライベートモード(何も映らない)が選べる。ロボットの予約のためのシステムも統合されている。

『エクストリーム・テック』の関連記事によると、Ava 500のレンタル料は月額2000〜2500ドルとなる模様(サービス料は含まず)。

アメリカでは、コンピュータの会議システムも早くから利用されてきたが、こんなテレプレゼンス・ロボットも何の抵抗もなく職場で受け入れられていくのかもしれない。

「予期せぬ事態でも、そこに医師が居合わせることができるのです」 RP-VITAを訪ねて<その1> インタッチ・ヘルス社CEOユーラン・ワング氏インタビュー

医療関連のロボットを開発するインタッチ・ヘルス社は、遠隔地から医師が患者を診断したり現場とコミュニケートしたりするのを仲介するテレプレゼンス・ロボットを提供してきた。

昨年、アイロボット社から600万ドルの投資を受けた同社は、最新型のRP-VITA(アールピー・ヴィータ)にアイロボット社の自走技術を統合。病院内で人や障害物を避けながら目的地にたどり着き、医師が院内を回診したり、看護士とやりとりしたりするのをサポートする。医師の時間を有効に活用しつつ、まるでそこに医師がいるかのように機能して、細やかな医療を可能にするツールだ。今年FDAの認可を受け、現在すでに世界の6病院で利用されている。

インタッチ・ヘルス社は、ロボットに加えて、そのコントロール・ステーションやソフトウェア、ネットワーク・プラットフォームなども含んだ包括的なサービスを提供し、医療現場への先端テクノロジー導入に積極的に取り組むことで知られている。

インタッチ・ヘルス社があるのは、サンタ・バーバラ空港近くの新興企業が集まった地域。社員はおよそ200人。外見はこじんまりとしているが、社内はオープンスペースの気持ちのいい空間だ。その中に、病室を模した研修室やロボット製造の工場もある。

2002年に同社を創設したユーラン・ワング会長兼CEOに、ロボニュースがインタビューした。

ユーラン・ワング氏とRP-VITA

ユーラン・ワング氏とRP-VITA

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病気の生徒に代わって登校するロボットの話

カテゴリー: ニュース, ロボット会社

テキサス州の地元雑誌『ダラス・オブザーバー』に、病気で登校できない16歳の少年に代わって、テレプレゼンス・ロボットが授業に出ているというニュースが伝えられている

http://www.dallasobserver.com/より

http://www.dallasobserver.com/より

この少年リンドン・バティ君は、生まれた時から重い腎臓病を煩い、毎日10時間もの透析を行う必要がある。病状が悪化して、ヘリコプターで病院まで運ばれることもしばしばだ。

そのリンドン君がテレプレゼンス・ロボットに出会ったのは、偶然だった。アイロボット社出身の起業家2人が創設したVGoコミュニケーションズ社が新製品をテストしてくれるユーザーを探していたところ、地域のセールスマンを通してコンタクトしたのが、人口1300人の小さなノックス・シティの市立高校にITサービスを提供する会社の社員だったのだ。テクノロジー・ギークなその社員は、地元の高校に通学できない生徒がいると伝え、そこからリンドン君のテレプレゼンス通学が始まったのである。

記事では、遅刻した時に、リンドン君のロボットがどうやってドアに衝突してノックし、閉まった扉を開いてもらうかとか、リンドン君のおしゃべりで朗らかな性格がテレプレゼンス通学にも合っていたといったことにも触れている。

記事によるとVGoコミュニケーション社のロボットは現在、全米の30校に配置されているという。重症アレルギーの生徒や免疫不全の生徒など、普通に登校できない生徒に利用されているという。

テレプレゼンス・ロボットはこういう風にも使えるのだったと、深く納得した。

ユーザーに首を向けるテレプレゼンス・ロボット

アメリカでは、テレプレゼンス・ロボット市場がにわかに混み合ってきた感がある。

医療現場で用いられる人間と等身大のロボットから、オフィスのテレコンファレンス用に使えるロボット、そしてロボニュースでも紹介したロモーティブ社の製品のようなエンターテインメント用ロボットまで、さまざまなタイプのものが発表されている。

そこに新たに出現したのは、スヴィヴルの製品。スマートフォンやカメラを設置するベースで、これがユーザー側にあるマーカーに向けて方向を変える。従って、ユーザーが動き回っても、その姿を捉え続けるわけだ。マーカーは、コントローラーやマイクロフォンとしても機能する。

Robot - swivl

これもまたキックスターターで資金を集めた製品で、すでに学校での利用も期待されている。先生が講義を録画するのに便利。また企業などでも、ダイナミックに動きながらプレゼンテーションする様をテレコンファレンスで使えるだろう。価格は199ドル。

ロボット業界に特化したベンチャーキャピタル会社であるグリシン・ロボティクスが、最近50万ドルの投資を決めたことも話題に。

「みんなの手に入るロボットを作りたかった」ロモーティブ社CEO ケラー・リノード氏インタビュー

ロモーティブ(Romotive)社の「ロモ(Romo)」は、スマートフォンが小型戦車のかたちをしたドッキング・ステーションに載っているといった構成のロボットだ。このロモは、プロトタイプ時にクラウドファンディングのキックスターターで大人気を得て製品化へ進み、その後同社はスタンフォード大学のベンチャーファンドやセコイヤキャピタルなどから総額650万ドルの投資を受けた。

ロモは、コンピュータやモバイル・デバイスからの操作が可能で、回転や走行しながら写真やビデオを撮影できるほか、顔認識機能でユーザーを見分けて表情を作ったり、音楽のリズムに併せて動いたりする。また、電池が切れると自律的に充電ステーションへ向かう。

スカイプなどのテレコン機能を利用すればテレプレゼンス・ロボットとなるし、カメラを遠隔地から起動させることでセキュリティー・ロボットとしても役に立つ。オープンプラットフォームで、デベロッパーたちのアプリ開発も進む。150ドルの多機能おもちゃロボットとして、大きな注目を集めている製品だ。

同社CEOのケラー・リノード氏に、ロボニュースがインタビューした。

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ケラー・リノード(Keller Renaudo) ハーバード大学では、経済学と社会学を専攻しながら、ヤーコブ・ベネンソン教授の元でRNAやDNAを利用したバイオ・コンピュータの研究に携わった。2009年の卒業後は、スタートアップのジョブスパイス(JobSpice)社を経て、2011年にロモーティブ(Romotive)社を共同創設。26歳。

Q.  そもそもロボット分野とは、どんなつながりがあったのですか?

A. 実は、ロボットの専門知識はありませんでした。ただ、ロモーティブ社の共同創設者であるピーター(・シード)は機械エンジニア、またフー(・ニューエン)はソフトウェア・エンジニアかつデザイナーです。僕自身は、システム・デザインの知識が少々あり、またスタートアップの経験もあった。みんなで技能を持ち寄ったというところです。

Q. ロモのアイデアはどこから来たのですか。

A. 最初からロボットを作ろうとしていたわけではありません。スマートフォンを頭脳部分にして何かできないかと話し合っていたんです。そして3人でロモのプロトタイプを作ったら、けっこういけるんじゃないかということになった。2011年のことです。ただ、プロトタイプを回りの人たちに見せたら、スマートフォンは高いものなのに、こんなものに載せたら壊れたりして、無謀だと言われました。

Q. その後、キックスターターで資金を募るわけですね。 続きを読む


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