「ロボットと神経科学。ふたつの領域を研究したからこそ、そのセレンディピティーを享受できました」。ネスト・ラボ社技術担当副社長のヨーキー・マツオカ氏インタビュー その<1>
シリコンバレーのネスト・ラボ社は、AI(人工知能)を備えたサーモスタットや煙探知機を開発する注目企業。同社は今年、32億ドルでグーグルに買収された。
ネスト社のサーモスタットは、ユーザーの生活パターンや温度設定の癖を理解して、ユーザーに合った室温を自動的に設定しながら、省エネも行うという優れものだ。
そんなインテリジェントな製品の背後にいるのが、ヨーキー・マツオカ氏だ。日本で生まれた女性のロボット研究者で、マサチューセッツ工科大学(MIT)やカーネギー・メロン大学、ワシントン大学で研究を重ね、2007年には「天才賞」として知られるマッカーサー・フェローにも選ばれている。
ロボット技術は、今後どんな分野に応用されるのか。ロボット研究者としてユニークなキャリアを歩んできたマツオカ氏には、それが見えているに違いない。これまでの道のり、そしてロボットの未来についての見解を聞いた。