アーカイブ: イノベーション
2013/05/17
少し前の記事になるが、ボストン・グローブ紙にマサチューセッツ州のロボット産業の現状がレポートされていた。
アイロボット、リシンク・ロボティクスなど同州に拠点を置くロボット会社に言及されているが、何でも、ここにはロボット会社が約100社あり、また大学などで35のロボット研究開発プログラムが進められているのだという。2011年にロボット産業に従事している従業員は3200人、同年のロボット産業における売上は20億ドルに達したという。
2012年10月には、マサチューセッツ州立大学ローウェル校にロボットのための実証実験センター(NERVE = New England Robotics Validation and Experimentation Center)がオープンしたという。ロボットの機能を実験するためのプールや砂場などが用意されており、ロボット会社の利用にもオープンだという。こうした場所が設けられたのは、同州のロボット開発の速度を上げることが目的だ。
マサチューセッツ州立大学ローウェル校に設けられたロボット実証実験施設Nerve Center
「イノベーションがまたイノベーションを呼ぶ。だから、マサチューセッツ州のロボット産業は盛り上がっているんです」と、アイロボット社CEOのコリン・アングルが語っている。
2013/05/17
ドイツの産業ロボットメーカーのクカ(Kuka)社が、同社の小型移動マニピュレータであるyouBotをベースにしたイノベーション賞への応募概要を発表した。1等の賞金は2万ユーロ(約265万円)。登録締め切りは6月15日だ。
youBotは、全方向移動が可能で、2本指のグリッパーがついた5自由度のマニピュレータが装備されている。Ubuntu LinuxとROSラッパーが搭載され、キネクトを始めとするセンサーのためのドライバーもある。
コンテストでは、youBotを最低1台利用していれば、他のロボットとの組み合わせもOK
このイノベーション賞は、移動マニピュレータにおける開発を促進すると共に、大学から産業への技術移転を後押しすることが目的で開かれるという。現実的な作業現場を想定しており、オリジナリティー、技術面ですぐに実現できること、経済的なインパクト、競争面での優位性などが評価の基準になるという。知的所有権は、応募者に帰属する。
youBotが身近にないなら、貸してくれる場合もあるようだ。世界中からの応募を歓迎するとのこと。
詳しい応募概要はここに。『IEEE Spectrum』の告知記事はここ。
2013/05/12
プロジェクト実現のために一般の人々が資金を出すクラウドファンディングのサイト、キックスターターは、実験的ロボット誕生の場にもなっている。先頃ここでまたひとつ、バーテンダー・ロボットの開発プロジェクトが、予定額の1.5倍近い19万7464ドル(約1975万円)を集めた。
バーテンドロのプロトタイプ。中央が最新のもの(http://www.kickstarter.com/projects/partyrobotics/bartendro-a-cocktail-dispensing-robot?ref=liveより)
バーテンドロを利用すると、欲しいカクテルが正確な調合の下に10秒以内ででき上がるらしい。容積式ポンプには独自に開発したエレクトロニクスのボードを付け、それが厳密な量の飲料をくみ上げるモーターに接続されている。ボードのプロセサーには、Arduinoと同じものを使用しているという。
オープンソースのバーテンダー・ロボットとして、外部からの参加によって改良を加え、またドリンク・データベースも構築する予定だという。
バーテンドロを開発するのは、パーティー・ロボティクス社。共同創設者の2人は、アイロボット社で経験を積んだロボット開発者と、音楽メタデータのオープン百科事典ミュージックブレインズ創設者のソフトウェア・アーキテクト。センサーなどの部品が高いため、自分たちでCNCミリングマシーンを買ってしまったほどだという。
彼らのキックスターター・サイトを見ると、同様の技術を使ってパンケーキ・ロボット、ジュース・ロボット、水族館の栄養補給ロボット、ビールやワインの醸造、新しい食べ物の創造ロボットが考えられるとのこと。夢は大きい!
2013/05/11
毎年、画期的なゲームチェンジャーとなる製品やサービスに贈られる「エディソン賞」を、今年は17のロボット関連製品が受賞した。
今年選ばれた受賞製品は、130以上。そのうちリシンク・ロボティクス社のバクスターが生産性ツール部門の金賞を、アイロボット社の樋掃除ロボットLooj 330が家庭用製品部門の金賞を、リクイッド・ロボティクス社のウェイブ・グライダーが発電および電気利用部門の金賞を受けた。
変わったところでは、スマートフォンなどのエレクトロニクス製品を査定して現金と替える自動下取り機械エコATMも、環境保全部門で金賞を受賞。
スマートフォン、MP3プレーヤーなどのエレクトロニクス製品をスキャンして査定し、自動下取りするエコATM機
エディソン賞は1987年から設けられている。各社は自薦で製品を提出した後、述べ3000人におよぶ専門家、学者、過去の受賞者らによって構成されるパネルの選考を受ける。今年の授賞式は、400人以上の関係者が列席する中、4月末にシカゴで行われた。
ロボハブが、17のロボット製品をまとめて掲載している。