アニメーターの役割が重要。ディズニー・イマジニアリングのロボット作り
アメリカでもユニークなロボット開発を行っていることで知られるのが、ディズニー・イマジニアリング。もともとディズニーのテーマパークの乗り物やアニマトロニクス(機械仕掛けの人形)を作ってきたところだが、最近はますます未来的・研究開発的な活動が多いようだ。
最近ビデオが公開された人気キャラクター、グルートを象ったプロジェクト・キーウィーについて、『IEEEスペクトラム』が開発者にインタビューしている。
インタビューされているスコット・ラヴァレー氏は、以前ボストン・ダイナミクスでペットマンやアトラスの開発に携わった経験を持つベテラン。それでも、テザーなしで二本足歩行し、しかも表現豊かな小型ロボットを作ることには苦労が多いようだ。
キーウィーの身長は約75センチ。ここに必要な機械やセンサーが高密度で盛り込むまれている。しかもキーウィーが備えている自由度は50。速く大げさな表現を持つ動きとニュアンスのあるゆっくりとした動きの両方を可能にし、その上「肩をすくめる」といったような、ディズニーならではの複雑な身体表現を生み出さなければならない。
キーウィーは、いずれテーマパークを歩き回るようになることが目標とされていて、子供たちとのやり取りを安全にすることが求められる。突進してくる子供たちのハグを受け止めたりする必要もあるのかもしれない。
ラヴァレー氏は、ハードウェアとソフトウェアのエンジニアが密接に協力し合うことはもちろん、アーティストやアニメーターからのインプットが新しい生命的な動きを盛り込むのに大切だと語っている。また、演技志向のロボットの開発には、設計の早い段階からアニメーションやモーションキャプチャー、シミュレーション・ツールなどを利用して動きの検討を行うことが必要だという。
ここにディズニー・イマジニアリングのプロジェクトが並べられていて、ロボット関連プロジェクトもある。中でも興味深いのはスタントロニクス。いわばロボット・スタントマンだが、空中に放り投げられるだけでまるでスーパーマンのように跳躍して着地する不思議な仕組み。
プロジェクト・キーウィーのビデオはこれ。