アンディ・ルービン氏、「ロボットは、現実世界からデータを取得する存在」
5月11日にカリフォルニア大学バークレー校(UCB)で開催されたテッククランチの『セッションズ・ロボティクス』には、アンディ・ルービン氏も登壇した。
現在はアクセラレーター兼エンジニアリング会社兼投資会社であるプレイグラウンド・グローバルを運営するが、その前はグーグルで多くのロボット会社を買収した人物だ。もちろん、アンドロイドOSの生みの親でもある。
プレイグラウンド・グローバルでは、ロボット関連のポートフォリオ会社も多く、同氏がロボットに対してどんな考えを抱いているのかは注目の的だ。
同氏は、グーグル時代について、11社のロボット会社はそれぞれの開発を加速化する目的で買収したが、各社を共通した戦略に合わせるのに1年間かかった」と言う。その後同氏はグーグルを辞めてしまったわけだが、グーグルでのロボットの開発は続行していると語った。
プレイグラウンド・グローバルは、9億ドルのベンチャー・ファンドを抱える。アーリー・ステージからレイター・ステージまで11〜12社に投資するが、10倍のリターンを目指していると言う。ポートフォリオ会社からシナジーを得るのはパズルのようなものだが、それぞれにマイルストーンがあり、それによって開発が成功を収めているのかどうかを見定めているようだ。
同社の投資は、「自動化とインテリジェンス、AIがソフトウェアに代替する、機械学習とデータ」が共通した視点だと説明した。「認識、計画、行動はデータ・ビジネス。そして、データは現実世界からやってくる。現実世界に存在するロボットは、データを取得する役割を担う」と同氏は言う。アイロボット社がお掃除ロボットのルンバから家の中のデータを取得しているのが、その例だ。
短期的に投資のリターンを得る戦略は、先端的な技術をすぐに使える市場を探すことだ。例えば自走技術ならば、自走車は実現するのはまだ先であっても、同じナビゲーション・ソフトウェアを倉庫用に利用することができる。プレイグラウンド・グローバルでも、キャンバス・テクノロジー社という倉庫ロボット開発会社に投資する。
同氏はまた、アンドロイドのようなOSがロボットにできるかどうかについては、わからないと語った。ただ、データ共有のためのプラットフォームがあり得ると言う。クラウドにあるブレーンが、数々のロボットを賢くするようなビジョンだ。
最後に見せたのは、ポートフォリオ企業の一つであるアジリティ・ロボティクス社の2本足ロボット、キャシー。人間や生物のしくみを模倣したパッシブ・ダイナミクスを取り入れたロボットで、デリバリーでの利用に照準を合わせている。
ルービン氏のセッションは、このビデオに。