2013/05/19
これまでインターネット・ビジネスのスタートアップを支援するインキュベーターやアクセラレーターはたくさんあったが、今はハードウェア製品の開発にもその動きが広まっているようだ。
ロボット関連のスタートアップをサポートする組織ロボット・ローンチパッドが、新しいアクセラレーターや既存施設のプログラム拡大を伝えている。場所もピッツバーグ、ボストン、サンフランシスコ、ニューヨークなどに分散しているが、中国の深圳もそうした中心地になっている模様。
施設によって強みは異なるようで、とりあえずのエンジェル資金とオフィス空間を提供してくれるところ、さまざまな分野のアドバイザーを多く揃えたところ、有名メーカーのマーケティングに準じた市場開拓を手伝ってくれるところなどいろいろだ。応募はオープンなようで、年に1〜2回の募集を行っている。
アクセラレーターに参加する利点は、当初の起業資金の提供を受けられ、オフィス空間やその他必要な設備が使えること。外部アドバイザーや、同じアクセラレーターに所属する他のスタートアップからの刺激も、ひとりで開発していては得られないことだ。もちろん、資金提供を受ける分だけ「口出し」をされることもあるだろう。
最近は、ハードウェアのモノ作りの機運が本当に高まっていると、ひしひしと感じる。こうしたアクセラレーターがあれば、ロボットの商用化への動きも加速化されるだろう。
同記事で挙げられているアクセラレーターは、以下:
・AlphaLab Gear(ピッツバーグ)
・Bolt (ボストン)
・PCH International(サンフランシスコ、深圳)
・Haxir8r (サンフランシスコ、深圳)
・Lemnos Labs(サンフランシスコ)
・Zahn Center(ニューヨーク)
2013/05/17
少し前の記事になるが、ボストン・グローブ紙にマサチューセッツ州のロボット産業の現状がレポートされていた。
アイロボット、リシンク・ロボティクスなど同州に拠点を置くロボット会社に言及されているが、何でも、ここにはロボット会社が約100社あり、また大学などで35のロボット研究開発プログラムが進められているのだという。2011年にロボット産業に従事している従業員は3200人、同年のロボット産業における売上は20億ドルに達したという。
2012年10月には、マサチューセッツ州立大学ローウェル校にロボットのための実証実験センター(NERVE = New England Robotics Validation and Experimentation Center)がオープンしたという。ロボットの機能を実験するためのプールや砂場などが用意されており、ロボット会社の利用にもオープンだという。こうした場所が設けられたのは、同州のロボット開発の速度を上げることが目的だ。
マサチューセッツ州立大学ローウェル校に設けられたロボット実証実験施設Nerve Center
「イノベーションがまたイノベーションを呼ぶ。だから、マサチューセッツ州のロボット産業は盛り上がっているんです」と、アイロボット社CEOのコリン・アングルが語っている。
2013/04/29
ロモーティブ(Romotive)社の「ロモ(Romo)」は、スマートフォンが小型戦車のかたちをしたドッキング・ステーションに載っているといった構成のロボットだ。このロモは、プロトタイプ時にクラウドファンディングのキックスターターで大人気を得て製品化へ進み、その後同社はスタンフォード大学のベンチャーファンドやセコイヤキャピタルなどから総額650万ドルの投資を受けた。
ロモは、コンピュータやモバイル・デバイスからの操作が可能で、回転や走行しながら写真やビデオを撮影できるほか、顔認識機能でユーザーを見分けて表情を作ったり、音楽のリズムに併せて動いたりする。また、電池が切れると自律的に充電ステーションへ向かう。
スカイプなどのテレコン機能を利用すればテレプレゼンス・ロボットとなるし、カメラを遠隔地から起動させることでセキュリティー・ロボットとしても役に立つ。オープンプラットフォームで、デベロッパーたちのアプリ開発も進む。150ドルの多機能おもちゃロボットとして、大きな注目を集めている製品だ。
同社CEOのケラー・リノード氏に、ロボニュースがインタビューした。
ケラー・リノード(Keller Renaudo) ハーバード大学では、経済学と社会学を専攻しながら、ヤーコブ・ベネンソン教授の元でRNAやDNAを利用したバイオ・コンピュータの研究に携わった。2009年の卒業後は、スタートアップのジョブスパイス(JobSpice)社を経て、2011年にロモーティブ(Romotive)社を共同創設。26歳。
Q. そもそもロボット分野とは、どんなつながりがあったのですか?
A. 実は、ロボットの専門知識はありませんでした。ただ、ロモーティブ社の共同創設者であるピーター(・シード)は機械エンジニア、またフー(・ニューエン)はソフトウェア・エンジニアかつデザイナーです。僕自身は、システム・デザインの知識が少々あり、またスタートアップの経験もあった。みんなで技能を持ち寄ったというところです。
Q. ロモのアイデアはどこから来たのですか。
A. 最初からロボットを作ろうとしていたわけではありません。スマートフォンを頭脳部分にして何かできないかと話し合っていたんです。そして3人でロモのプロトタイプを作ったら、けっこういけるんじゃないかということになった。2011年のことです。ただ、プロトタイプを回りの人たちに見せたら、スマートフォンは高いものなのに、こんなものに載せたら壊れたりして、無謀だと言われました。
Q. その後、キックスターターで資金を募るわけですね。 続きを読む