オープンソース開発は、ロボットのビジネス・モデルとしても有効か?
『ロボハブ』が専門家に意見を聞くシリーズ。今回は、ロボット・ビジネスにおいてオープンソース開発がいいモデルかどうかがテーマだ。3人の専門家の意見を要約で紹介しよう。
『ロボハブ』が専門家に意見を聞くシリーズ。今回は、ロボット・ビジネスにおいてオープンソース開発がいいモデルかどうかがテーマだ。3人の専門家の意見を要約で紹介しよう。
ジョージア工科大学のヒューマンファクターと高齢化ラボが、用途や利用者の年齢層によってロボットに期待される顔がどう異なるのかを調査した。
それによると、高齢者は人間的な顔をしたロボットを好む傾向が高く、また労働を行うロボットはロボット的な顔がふさわしいと感じる傾向が高いという。
調査は、ロボットに期待されている下のような4種類の役割に従って行われた。またロボットの顔は、「ロボット型」「人間型」「ミックス型」の3種類に分類できるようなさまざまなタイプが選択肢として与えられた。結果は次の通りだ。 続きを読む
10月初め、ボストン・ダイナミックス社のユーチューブに突然お目見えしたのが、このすごいロボット。「ワイルドキャット」という名前で、DARPA(国防高等研究計画局)のM3(最大可動性と操作性)プログラムの下で開発されたものという。
電力を搭載し、時速約25キロで走り回る。走り方もギャロップから飛び跳ねるまでといろいろ。走りながらカーブしたりもする。説明によると、「さまざまな地形の上を高速に走るロボット」として開発されてきたようだ。
『IEEEスペクトラム』は、1年ほど前にこのワイルドキャットが開発中であることを知ったとしている。同社の別のロボット、チータの時速45キロに比べるとワイルドキャットは鈍いが、これは搭載電源や歩調による制限なのか、今後調整の必要なまだ新しいロボットであるためなのかは不明という。
ビデオでは途中で転ぶところも出ているが、これだけ軽快に走れるとはあっぱれだ。
先だってお伝えしたヨーロッパ版のロボティクス・チャレンジ「ユーラスロン(EURATHLON)」の勝者が発表された。『ロボハブ』が5日間の過程と共に、詳しく伝えている。下ビデオは5日目と表彰式の様子。
国際ロボット連盟(IFR)が先頃、ロボット産業界の動向に関する報告書を発行したが(産業ロボットとサービスロボットの2巻)、その中でロボット関連の新興企業をレポートしたフランク・トービー氏が、その記事を自身のブログ・サイト『エブリシング・ロボティク』で公開している。
同記事では、医療関連、リモートプレゼンス、海底探索、搬送、消費者向け、AI、農業、無人航空機、ニッチ市場(太陽光発電など)、新領域(ゴミ分離、脳波コントロールなど)に分けて、世界の新興企業が紹介されている。
ぜひ記事にアクセスして、各社のサイトのURLをクリックされることをお勧めしたい。ロボットと呼ばれるにはあまりにかたちが異なるが、その応用分野が多岐に渡っていて、幅広くロボット産業の盛り上がりが感じられるラインアップだ。
記事ではさらに、こうした新興企業がどのような資金を受けて起業し、運営されているのかにも言及している。それによると、研究者らがちょっとしたインスピレーションを商用化することで、さらに研究が続けられるようになっているケースも多く、その場合はクラウドファンディングが有効な資金調達手段になっているという。宇宙開発や軍事関連の政府プログラム(NASAやDARPA)の資金を得るケースでは、特定の目的を果たすための新しい方法論を模索する目的の「戦略的補助金」によって資金を得ていることが多いという。
また、235社の新興企業を国別、分野別に分類した表も興味深い。それによるとアメリカの128社が新興企業数ではダントツ。その後にフランス、カナダ、スイスなどが続く。残念ながら日本はたった7社。いや、変革はこれから、そして成長ののびしろがまだたっぷりあると期待しよう!
スミソニアン博物館が、「バイオニック・ボディ」に関するドキュメンタリーを制作、10月20日にケーブルTVのスミソニアン・チャネルで放映する予定だ。
バイオニック・ボディとは、人体の生体信号とセンサーやコンピュータ機能を統合した半人工的な身体のこと。すでに筋肉の動きや神経の信号を読み取って手足の動きを形成する義足や義手があるが、それ以外にも脳信号を利用して動くロボットアーム、独自に機能する人工臓器(膵臓、脾臓、肺など)などが研究、開発されており、これらを合体すると、人体の50%を占めるという。もちろん、それらを全部統合したとして相互にうまく機能するかどうかは別問題だが、バイオニック・ボディの研究がここまで進められているとは驚く。
人がロボットに対して抱く感情について、ニューヨークタイムズ・マガジン(日曜版の付録雑誌)に興味深い記事が掲載されている。「ロボットはどのようにして人に感情を抱かせるようになるのか」というテーマだ。
これからのロボットは単なる道具ではなく、それでいて完全な同僚でもないという、「グレーなゾーン」に属すものが多くなる。そのグレーなゾーンのロボットが行うタスクは社会的なやりとりも含むので、人間とロボットの関係が重要になり、昨今は「ヒューマン・ロボット・インタラクション(HRI)」という研究が行われていると、記事は説明する。 続きを読む
ライス大学マルチロボット・システムズ・ラボの研究者が、複数のリモートコントロール・ロボットを単一のジョイスティックで操作するアルゴリズムを考案した。『ロボハブ』が報じている。
ビデオでは12個のロボットが各々に動くさまが見られるが、これは120個のロボットにも適用可能という。また今はスピードがのろいが、これを200倍速める新しいアルゴリズムを開発中とのことだ。
DARPA(国防高等研究計画局)が開催するロボティクス・チャレンジは、福島原発事故に刺激を受けて計画されたが、ヨーロッパでも同じように福島原発事故をきっかけに開催されるロボット競技会がある。ユーラスロン(EURATHLON)がそれだ。主催は欧州委員会。
9月23〜27日にドイツのベルヒテスガーデンで開かれるユーラスロンには、ヨーロッパとロシアから14チームが参加する予定。ロボットに課されたタスクは以下だ:
・都市構造の調査と監視
・危険物取り扱いの移動型操作
・煙が充満した地下構造内での捜索および救援
・GPS、GLONASS、GALILEOを利用した自動ナビゲーション
・爆弾装置の調査と廃棄
先だって、デンマークのユニバーサル・ロボッツ社がアメリカに支社を設けたニュースを伝えたが、同社のロボットがこんな風に使われているという記事が『テクノロジー・レビュー』に掲載されていた。
場所は、サウス・カロライナ州にあるBMW工場。これまでの自動車製造工場でのロボットはパワフルで精密だったため、人間が近寄るのは危険とされてきた。そのため、最終的なアッセンブリー作業は多くはまだ人間の手に任されていた。
しかし、この工場では、ドアーに密封剤を取り付けるアッセンブリー作業をロボットが受け持っている。接着剤を塗る作業も含めれば、「毎日、ウィンブルドンの試合を数回こなしたほどの重労働」とのことだ。
BMWでは、さらに新しい可動ロボットをMIT(マサチューセッツ工科大学)の航空学および宇宙学部のジュリー・シャー教授と開発中とのことで、こちらはさらに洗練されたアッセンブリー作業をこなす上、人間の作業員に道具を渡したりするらしい。数年後に導入を計画しているという。シャー教授は、MITのコンピュータ科学および人工知能ラボ(CSAIL)のインタラクティブ・ロボティクス・グループを率いている。
同記事では、リシンク・ロボティクス社のバクスターが、現時点ではアメリカの中小規模の工場で利用され、コンベヤー上で動くものをパッケージするなどの軽作業を行っているのに対して、BMWのロボット利用はもっと重労働の製造作業に組み込まれることを目指していると、その違いを指摘している。
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