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「ロボビー(みつばちロボット)」の初めての制御飛行

カテゴリー: ニュースロボット研究

このビデオの左下に映っている銀色のクォーター(25セント硬貨)は、直径23ミリほどのサイズ。この昆虫のようなロボット「ロボビー(RoboBee)」の小ささをわかっていただけるだろうか。

みつばちというよりは、極小トンボのようなこのロボビーは、ハーバード大学のワイス研究所工学応用科学部(SEAS)の共同研究で実現されたもの。ワイス研究所は、正式名を「Wyss Institute for Biologically Inspired Engineering」といい、生物の構造やしくみから発想を得たエンジニアリングを研究分野としている。

このロボビーは、10数年の研究の集大成とも言えるプロジェクトで、飛行中に一カ所に停止したり、左右に移動したりできる。画期的な製造方法も共に提示されている。それによると、レーザーカットされたカーボンファイバーに柔らかな素材の層を挟み、それをまるでポップアップ絵本を開くようにして立ち上げれば、微細な三次元構造体を作ることができるようだ。下のビデオで詳しく説明されている。

羽は毎秒120回羽ばたき、目にはまるで止まっているようにすら見える。羽を動かす筋肉の部分には、電場をかけると伸縮するセラミック素材のピエゾ電気アクチュエーターが用いられた。電気は細いケーブルを通して外部から供給されている。バランスを保つために、現位置と目的位置の差をリアルタイムで計測しながら、両方の羽を個別に作動させるようだ。

環境モニタリングや救援支援、農業での受粉作業などでの利用が考えられているというが、このポップアップ製造方式も超小型の医療機器などへの応用も見込まれるという。

プレスリリースは、ここに。『サイエンス』誌に掲載された論文は、ここ(要登録)。

昆虫型ドローンが空を埋める?

「インターナショナル・ビジネス・タイムズ」が、2015年にアメリカ連邦航空局(FAA)の規制が緩和された後のドローン(無人航空機)と空の話題を掲載している。それによると、現在すでに軍事用や国境監視用にドローンが利用されているが、今後は超小型のナノ・ドローンや昆虫型ドローンが増えるという。

指先に載る昆虫型ドローン。ハーバード大学のロボビーの原型http://www.ibtimes.com/より)

指先に載る昆虫型ドローン。ハーバード大学のロボビーの原型(http://www.ibtimes.com/より)

ナノ・ドローンの利点は飛行コストが安いこと。現在の有人ヘリコプターや飛行機は1時間当たり600〜2万ドルかかる一方で、ナノ・ドローンはたった25ドル。すぐに見つからないこと、そして人間の兵士の命を危険にさらさないことも大きな特長だ。

現在、すでに56の政府関連機関が63サイトでドローン飛行を許可されている。2015年の規制緩和に先駆け、さらに22政府関連機関と24大学が6つのテスト・サイトでの飛行を認められる模様だ。FAAは2017年には2万のドローンが空を飛んでいると予測するが、数はもっと多いと見る関係者もいるという。2015年以降は、商用利用も大幅に拡大する見込みだ。

指先に載るトンボのようなドローン、ロボビーを開発したハーバード大学エンジニアリングおよび応用科学学部のロバート・ウッド教授は、同大学の学生新聞「ハーバード・ガゼット」紙でインタビューに応え、アマゾンがドローンで商品を配達するという構想は、技術的にはかなり実現可能と語っている。

「内部のラボ環境ではすでに実証済み。外部環境では天候や揺れなどのチャレンジがあるが、ロボット・コミュニティーはこれらの問題にも取り組んでおり、解決は近い」としている。


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