<イベント・レポート> グリッパーは戦略的投資の対象
先だってマテリアル・ハンドリング(生産、物流における原材料、完成品などの移動)現場における、先端的ロボットについてのウェブキャストが行われた。講師は、ロボット業界の調査会社ミリア社のダン・キャラ氏で、主催は『ロボティクス・ビジネス・レビュー』。
キャラ氏は、生産現場をフレキシブルにし、効率を上げるために、現在は新しいタイプのロボットが次々と出てきていると語り、その領域でどんな製品があるのかを解説した。その中で、最近はグリッパー分野でもイノベーションが盛んになっているという。
シャンク社のような従来のグリッパー会社も新しいグリッパー開発に取り組んでいるほか、大学での研究からも新たな製品が生まれているという。グラビット社やエンパイヤー・ロボティクス社は、いずれもそうした例である。前者は、研究会社のSRIインターナショナル社からのスピンアウト、後者は、コーネル大学とシカゴ大学の研究者らが設立した。後者のヴァーサボールについては、ロボニュースでも以前紹介した。
キャラ氏によると、グリッパーはマテリアル・ハンドリングを担う企業にとっては戦略的な投資対象であるべきだという。新たなグリッパーを備えることによって取り扱うモノに幅ができて、新規ビジネスへの道が開けるからだ。
フレキシブル化への動きは、ロボットの設置やアームの種類、ツーリングでも、小型化、組み合わせ可能、ワイヤリングを不要にするなどのさまざまな面で見られ、それと相まってスピード化一辺倒だったロボットの多様化が大きく進んでいるようだ。