「ロボビー(みつばちロボット)」の初めての制御飛行
このビデオの左下に映っている銀色のクォーター(25セント硬貨)は、直径23ミリほどのサイズ。この昆虫のようなロボット「ロボビー(RoboBee)」の小ささをわかっていただけるだろうか。
みつばちというよりは、極小トンボのようなこのロボビーは、ハーバード大学のワイス研究所と工学応用科学部(SEAS)の共同研究で実現されたもの。ワイス研究所は、正式名を「Wyss Institute for Biologically Inspired Engineering」といい、生物の構造やしくみから発想を得たエンジニアリングを研究分野としている。
このロボビーは、10数年の研究の集大成とも言えるプロジェクトで、飛行中に一カ所に停止したり、左右に移動したりできる。画期的な製造方法も共に提示されている。それによると、レーザーカットされたカーボンファイバーに柔らかな素材の層を挟み、それをまるでポップアップ絵本を開くようにして立ち上げれば、微細な三次元構造体を作ることができるようだ。下のビデオで詳しく説明されている。
羽は毎秒120回羽ばたき、目にはまるで止まっているようにすら見える。羽を動かす筋肉の部分には、電場をかけると伸縮するセラミック素材のピエゾ電気アクチュエーターが用いられた。電気は細いケーブルを通して外部から供給されている。バランスを保つために、現位置と目的位置の差をリアルタイムで計測しながら、両方の羽を個別に作動させるようだ。
環境モニタリングや救援支援、農業での受粉作業などでの利用が考えられているというが、このポップアップ製造方式も超小型の医療機器などへの応用も見込まれるという。