ロボット関係者が好きな、最新ロボット映画3本
ロボット関係者と話していると、最近はロボット映画に言及されることが多い。ここ数ヶ月だけでも3本の映画で、ロボットが主役並みの扱いを受けている。
これまでならば、SF映画だけに限られていただろうが、最近の映画に登場するロボットは現実世界にぐっと近づき、しかも技術的にも現実味が感じられるような演出になっている。ロボットの関係者は、これらの映画を見て、いろいろ考えることもあるのだろう。
その3本を紹介しておこう。
『Robot and Frank』(邦題:素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー)
一人暮らしをする老人のもとに、子供たちがロボットを送ってくる。高齢者向けの介護用ロボットというよりは、コンパニオン(友達)のような位置づけ。だが、家事ロボットにみなが抱いている理想を実現し、掃除や洗濯をこなし、料理まで作ってくれる。フランクじいさんが出かける時にもお伴、悪事を働く際にも黙って協力する。
ロボットのかたちがあるために、少々ウソっぽいものの、われわれが心に抱く典型的ロボットの姿を護ってくれている映画。そして、子供にいじめられてもやり返せず、認知症のフランクじいさんをコントロールできないという点は、ロボットの限界と課題を感じさせてくれる。
『Her』
スパイク・ジョーンズ監督は、以前にも2つのロボットの間の恋を描いた『I’m Here』を監督している。シュールなストーリーながら、現実的な臨場感が溢れる。『Her』では、孤独な男がコンパクトでおしゃべりをするOSと生活を共有するうちに互いの理解を深め合っていくというストーリー。そこに人間同士の関係、人間と人工知能の交流、人工知能の未来など、いろいろ考えさせるサブテーマが流れている。
人工知能のサマンサには、性別、パーソナリティーがあり、それが絶妙な声で表現される。アップルのシリなどにお世話になっていると、こんな人工知能がいつか確実にやってくるという気になる。舞台は2025年を設定。
『ロボコップ』
負傷した警官が、ロボット技術で身体機能を取り戻し、サイバー人間として悪と闘うストーリー。1987年のSF映画のリメイク版。ロボットのタイプやストーリーでは典型的SF的だが、ロボットの倫理を考える点で参考になる映画とされている。武器として機能するロボットは、国防以外の面では使われてならないとか、プライバシーを含め、現状の法律に従って行動すべきなど、問題点を『スレート』が指摘している。