グーグルは、AIのマンハッタン計画に着手中?
『ガーディアン』紙が、レイ・カーツワイルのプロフィールを紹介している。
カーツワイルは「シンギュラリティー」という、人間と機械がひとつのものとなる瞬間が訪れると提唱してきたAI研究者。医学にも関心を持ち、人間はいずれ不死身になるという説の持ち主でもある。
そのカーツワイルがグーグルのエンジニアリング担当ディレクターに就任することが昨年発表されて、世間を驚かせた。
ビル・ゲイツをして「AIの未来をもっとも正確に予測できる人間」と言わしめたカーツワイルは、1998年までにコンピュータがチェスの試合で人間を負かすことを正しく予測し、インターネットがまだ知られていない時に、これが爆発的に広まることを予測してきた。2000年までにロボット義足が対麻痺患者に利用されるというのも、かなり近かった。
カーツワイルは、シリ(Siri)のように人々がコンピュータと話せるようになったり、自走車が現実的になってきたりしたことで、自分の主張は以前ほどにラディカルではなくなったはずだと語っている。一般の人々の方が追いついてきたからだ。
カーツワイルがグーグルでやっているのは、自然言語をグーグルに持ち込むことという。「コンピュータは、人間ほどではないが、言語のセマンティックな内容を読んで理解する瀬戸際にある。けれども、人間の100万倍以上の速さで資料に目を通すことができるので、数でそれを補う。IBMのワトソンよりもグーグルはこれを超大規模で行う」。
たとえば、車を誰かに売ったといったような内容もグーグルのコンピュータはその資料の中に含め、ユーザーに対する理解を深めて、「ユーザーが問いを発する前に回答するように」なるのだという。
グーグルがやろうとしていることは、もう「AIのマンハッタン計画並みのこと」だとAI関係者は言っているらしい。これがグーグルのロボットにつながる日も近いのだ。