フォックスコン社がロボットでグーグルと協力
「ウォールストリート・ジャーナル」が伝えるところによると、台湾の製造請負業フォックスコン社(親会社は鴻海精密工業)が、昨年からグーグルとロボットに関する開発協力で話し合いを始めた。
フォックスコン社は、アップルのiPhoneやiPadの製造を行っていることで知られる、世界最大規模の製造請負会社だ。
グーグルのロボット部門を統括するアンディ・ルービンは、フォックスコン社会長のテリー・ゴウ氏に会い、自動化技術をプレゼンテーション。ゴウ氏は感銘を受けたと関係者が語っているという。
この記事によると、ロボットをめぐる協力体制は両方向的のようだ。
フォックスコン社では、まだ手仕事の多い製造現場を効率化するためにロボット技術に関心を抱いている。中国で100万人以上の工員を雇う同社は、労働条件などでもたびたび批判されてきた。さらに、電子機器よりもマージンの高い自動車や医療医療機器などの資本集約型の高度な製造に移行することも目論んでいるという。
一方、これまで8社のロボット会社を買収したグーグルは、フォックスコン社の機械エンジニアリング力でそれらのロボット技術を統合したい。買収を最初に報じた「ニューヨークタイムズ」によると、ロボット会社買収の目的は、電子機器のアッセンブリー作業などの製造と、アマゾンがやっているような流通、小売分野への進出だ。フォックスコン社と組むことによって、ロボット技術をテストするための恵まれた環境も得られる。
また、グーグルは製造用ロボットのためのOSも開発するものと、アナリストらは見ているという。ロボットOSで成功すれば、テクノロジー業界での優位性が確保できる。グーグルだけに限らず、テクノロジー企業にとっての次の成長領域はロボットで、マイクロソフトやアマゾンなどの競合も進出している。
フォックスコン社はペンシルバニア州に400万ドルを投じて製造と研究拠点を設ける予定だが、それとは別にマサチューセッツ工科大学(MIT)にエンジニアを送り込んで、最新の製造と自動化技術を学ばせているという。
この記事を読む限り、予想よりも早くグーグル・ロボットが出てくるかもしれないという気がする。