ロボット、次のパンデミックに備える
コロナ禍中は消毒ロボット、デリバリーロボット、警備ロボット、監視ロボット、配膳ロボット、調理ロボットと、実にいろいろなロボットが登場。ロボット開発者たちの意気込みが感じられ、頼もしい限りだった。
開発は今でも続いており、より医療に近いところでの利用が目されたものもある。その一つが、カナダのサイモン・フレーザー大学で研究されているこんなロボットだ。インフォテルが伝えている。
研究を行うのは、メカトロニクス・システムエンジニアリング学部のウー・スー・キム准教授。今後5〜10年で、センサー付きのロボットが医療現場で使われるようになればと考えているという。
キム准教授の専門は積層製造で、ペッパーの指先を動脈血中の酸素飽和度を計測するオキシメーターに変えたり、心拍数、呼吸、体温、筋肉の動きを検知できる3Dプリントしたロボットフィンガーを作ったりしている。おしゃべりするだけでなく、働くペッパー君となる。
現在、地元の病院関係者と協力しながら、研究を進めているところだ。
医療現場用には、こんなロボットもお目見え……。
デンマークのスタートアップ、ライフライン・ロボティクスが発表したもので、ご覧になった方も多いと思う。自動化された検査機器に検体を入れるところまで行う。ちなみに同社は、ユニバーサル・ロボッツを創業したエスベン・オスターガード氏が共同創業者だ。
同様のロボットは台湾や中国でも開発されているようで、台湾のブレーンナビのビデオでは、鼻に綿棒を挿入したロボットアームが鼻腔の形によって方向を変える様子も見られる。
PCR検査用ロボットは、アメリカのワイルダー・システムズも開発。こちらは、製造現場でのロボット導入を促進するアーム・インスティテュートの緊急コロナ・プロジェクトとして、6ヶ月で開発された。
ジョンズ・ホプキンズ大学病院では、既存の人工呼吸器をロボット化するためにレトロフィットした。呼吸器を遠隔に調整できるようにし、看護師や医師が毎回PPEをつけて病室に立ち入らなくていいようにしたもの。人工呼吸器がIoT化されていたらいいのかもしれないが、ともかく現状を改良するために必死で開発されたのだろう。