倉庫ロボットと新しいテクノロジー
ロジスティクス業界でのロボットは今、ホットな注目分野になっている。日本と同様、アメリカもオンライン・ショッピングで注文された商品の発送作業が競争の舞台になっているからだ。
『ロジスティクス・マネージメント』という業界専門誌が、ロボットを含めたテクノロジーをおさらいしている。
同記事によると、倉庫業界に影響を与えているのは、ビッグ・データ、インダストリー4.0、IoT、そしてアマゾン・エフェクト(アマゾン効果)。それによって、業界は5年前の倉庫業とは全く異なる様相を呈しているとのこと。また、大規模、中規模、小規模のビジネスが、今後同等の競争力を持つようになるという。
そうした中、ロボット会社のビジネス・モデルにも変化が見られる。
例えば、アイアム・ロボティクス社やインヴィア・ロボティクス社は、RaaS (Robotics as a Service)、つまりサービスとしてロボットやソフトウェアを提供することで、当初の大掛かりな設備投資なしにロボットが導入できるサービス・モデルを提供している。前者は、ピッツバーグを拠点にするスタートアップ、後者はロサンゼルスがベースで、かつて園芸ロボット開発のハーベスト・オートメーション社からロジスティクス向けロボット技術を買収した会社である。
新しい倉庫ロボットの共通点は、既存の施設に導入できるフレキシビリティーを備えていること。倉庫を改築しなくても、自動化ができるとい売りだ。倉庫業は5〜12年後のリターンを見込んで大規模な設備投資をしても、市場やテクノロジーがその間にどんどん変化して、予想通りにならないという。
テクノロジー以前の動きも見られる。例えば、作業員を再教育して、新しいテクノロジーに順応できるようにすること。場合によっては、顧客専任スタッフとしてメンテナンスやオペレーションに従事することもあるという。また、倉庫業界がアライアンスを組んで、世界中のサプライチェーンとロジスティクス網を築く協力関係を作っているという。
同記事には、サプライチェーンからデマンドチェーンへの変化への対応など、ロジスティクス、倉庫業のあの手この手の努力について触れられている。
ところで、ドイツにはこんな倉庫もあるようだ。ロボットが動き回るというシステムとは、全く違ったアプローチ。