現在スティルス・モードのロボット会社には、どんなところがあるか
ロボット会社はますます増えているようだが、内情がよくわからないスタートアップも多い。つまり、現在スティルス・モード(秘密モード)で開発に邁進しているという状態のところだ。そうした会社を5社挙げてみよう。
一体、どんなかたちになるのか楽しみにしているのが、ディッシュクラフト・ロボティクス社が開発中という業務用皿洗いロボット。同社は2015年に創設され、シリコンバレーが拠点だ。同社CEOのリンダ・プーリオット氏は、掃除ロボットのネイト・ロボティクス社の共同創業者で、製品管理とオペレーション担当の副社長も務めた人物。オキュラス・リフト社のシード資金を提供したグレッグ・キャッスル氏が資金を出しているようだが、詳細は不明。
グーグルの自動走行車プロジェクトの創設者ら2人が設立した会社は、ニューロAI社。同社の社員は、これまでNASAの火星探索機、手術ロボットのダビンチ、カーネギー・メロン大学のロボット、チンプなどに関わってきたという。同社は、当初は自動走行車を開発するが、その後は交通手段に関わらず幅広くAIを搭載した製品を目論んでいるとのこと。
ボストンが拠点のスクウェア・ロボティクス社は、インフラ点検ロボットを開発中という。水中油田やガス関連施設の点検を専門とし、厳しい環境でも作動する強力なロボットを目指す。創業者らは海中自動走行ロボット開発のブルーフィン・ロボティクス社の出身。
これが本当ならば嬉しいというロボットを開発するのは、エオラス・ロボティクス社。家庭用の汎用ロボットを作っているという。AIを搭載し、自動走行し、マニュピュレーションとグラスプ機能もありそうだ。拠点はサンフランシスコの南だが、最初からグローバル市場を目指しているとも見える。
投資陣がすごいのがオサロ社。ピーター・ティール、ジェリー・ヤング、ショーン・パーカーなどびっくりするような名前が並び、シード資金として330万ドルを集めている。同社は、深層強化学習を利用、認識と意思決定を統合して、ロボットが試行錯誤を経て効率的に能力を高めていくためのソフトウェアを開発する。同社CEOのデリック・プリッドモア氏によると、深層学習は対象物に焦点をあてるが、深層強化学習は動きに焦点をあてる。試行錯誤と評価によって、制御ポリシーを最適化していく。産業ロボットへの適用を目指しているようだ。