出前ロボットのための法整備が進む。だが……

出前を届ける搬送ロボットがいろいろ実用化されようとしている。そのために、アメリカでは州政府を主体にした法整備が進んでいる。

すでにバージニア州、アイダホ州で出前ロボットが歩道を走ったり横断歩道を渡ったりすることが認められている。現在、ウィスコンシン州、フロリダ州でも法案が準備されているところだ。

ところが、『リコード』によると、これは市場独占の動きではないかという。

サンフランシスコで路上テスト走行中のスターシップ・テクノロジーズ社の出前ロボット(www.starship.xyzより)

同記事によると、バージニア、アイダホ両州の法案は、スターシップ・テクノロジーズ社の後押しによって通過したものという。周知の通り、スターシップ社はスーツケースほどのサイズの搬送ロボットを特に出前用に世界中でテストしている。スカイプの創業者らが設立した会社で、エストニアとロンドンを拠点にしているが、現在ではワシントンやシリコンバレーにもオフィスを構えている。同社のロボットは、テスト中から何かと話題をさらってきた。

問題は、法案での搬送ロボットの最大重量である。バージニア州で通過したのは最大50ポンド(約22.7キロ)まで、アイダホ州では80ポンド(36.3キロ)。スターシップ社のロボットは40ポンド(8.16キロ)のため、その範疇に収まる。だが、現在開発中の他の搬送ロボットはそうではない。

例えば、先だってご紹介したマーブル社。あるいは、ベンチャー・キャピタル会社のアンドリーセン・ホロウィッツなどから投資を受けているディスパッチ社の搬送ロボットは明らかにもっと大きい。当然、活発にロビーイングを行なっているスターシップ社は、競合他社を締め出そうとしているのではという目で見られても仕方がない。

この記事によると、スターシップ社はこれを否定しているとのこと。いったん州で決められた法律は、郡や市で改定することも可能で、最大重量や最高速度などを地元の事情に合わせて変更することもできる。ただ、それにはまた時間がかかる。

他の搬送ロボット会社も黙って見ているわけではないだろうが、先行して手を打っているスターショップ社が有利な立場に立つことは十分に予想されるのだ。

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