ロボットもデザインの時代。Y.べアール氏が話題のロボットを数々手掛ける
昨年、ロボニュースは記事のアップデートがままならず、遅ればせながら今年は心を入れ替えようと調べものをしていたら、目をつけていた3つのロボットを同じデザイナーが手掛けているのを知った。そのデザイナーとはイヴ・ベアール氏、そしてそれらロボットはスーパーフレックス(Superflex)社のオーラ(Aura)、エリキュー(ElliQ)、スヌー(Snoo)である。
ベアール氏はフューズ・プロジェクトというデザイン会社を経営する有名なデザイナーで、スイス出身。現在はサンフランシスコとニューヨークを拠点とする。これまでもIoT製品のデザインを行ったり、スタートアップを共同創業したりなど、テクノロジーに明るいデザイナーだ。
さて、この3つのロボットはすべて最近のニュースになったもの。
スーパーフレックスは研究請負会社であるSRIからのスピンオフだ。SRI からはロボット関係でもグラビット(Grabit)社、アバンダント・ロボティクス(Abandant Robotics)社などがスピンオフした。スーパーフレックスは昨春に独立し、以前ロボニュースでもインタビューしたリッチ・マホーニー氏がCEOに就任している。
同社のオーラ(Aura)は、高齢者の身体をサポートするためのいわばパワースーツで、筋電信号を拾って求められる力を付与する。SRIで開発されていた当時のスーパーフレックス(右)と、新たにデザインされたオーラを比べるとこのようになる。オーラはずいぶんすっきりとし、この上から普通の服を着るという設定になっているようだ。
また、エリキューはイスラエルのインテューイション・ロボティクス(Intuition Robotics)社が発表したばかり。
こちらも高齢者をターゲットにしたホーム・ロボットで、家族や友人とのコミュニケーションをサポートしたり、約束や薬の服用を忘れないようにリマインドしたりする。同社のサイトによると、「認知コンピューティング、クラウド・ロボティクス、自然のコミュニケーション、ヒューマン・ロボット・インタラクション(HRI)技術を駆使し、ロボットが自律的に判断を下したり、ユーザーに適応するように設計した」という。
そして、最後のスヌーは、何と赤ちゃん用ロボット・ベッドだ。赤ちゃんの状態に合わせてゆっくり揺らしたり速く揺すったりし、またホワイトノイズで安心させる。文字通り「泣く子も黙る」ゆりかごで、同社サイトの説明によると「ユニークなドライブトレーンの設計により、1000万サイクルの連続動作」「カスタマイズされたBLDCモーターが低速かつ高トルクを最適化し、精密なモーター制御のための複合フィードバックを実現」とのことである。お値段は1160ドルもするが、1日あたりのコストは7ドル。
いずれのロボットも改めて詳細をお伝えしたいと思うが、ロボットにもデザインが重要になってきたということかもしれない。機械的な外見を一般消費者にも親しみやすくわかりやすいものにする、という作業をデザイナーが行っているわけだ。
これからのホーム・ロボットやサービス・ロボット開発には参考になるポイントだろう。