OSRFがトヨタTRIと提携、営利会社を設立

ROSの振興に努めてきたOpen Source Robotics Foundation (OSRF)が、トヨタの人工知能・ロボット・自走車の研究部門であるToyota Research Institute(TRI)との関係を深める。そのひとつが両者による営利企業、Open Source Robotics Corporation (OSRC) の設立だ。『IEEEスペクトラム』が伝えている

osrf

同記事、そしてOSRFのプレス・リリース、そしてトヨタのプレス・リリースによると、まずTRIはOSRFに100万ドルの寄付を行う。OSRFは、ROSやシミュレーション・ツールのGazeboの開発をサポートしてきたが、TRIはそのビジョンを財政的にも支援するものだ。

ご存知のように、TRIのCEOであるギル・プラット氏は、DARPAのプログラム・マネージャーだった時期にロボティクス・チャレンジ(DRC)を主導した。DRCに参加した多くのチームがROSやGazeboを利用していただけでなく、DRC自体も バーチャル競技にGazeboを採用している。つまり両者の関係は深い。

OSRFのプレス・リリースでプラット氏は、「OSRFの価値を間近に目撃してきた」と述べている。

100万ドルの寄付の用途はOSRFに任されており、今後もROSやGazeboなどの開発コミュニティー活動に用いられる。

さて、営利会社のOSRCのウェブサイトはまだ作られていないようなので、詳細は不明。だが、OSRFのプレス・リリースには、「TRIがOSRCとコンサルタント契約を結んだ」とあり、「OSRCはOSRFの子会社で、OSRFとオープンソース・ロボットのコミュニティーの目標をサポートし、OSRFは、今後もオープンソースのアプリケーションを無料で提供し続ける」としている。

また、トヨタのプレス・リリースは、今回の提携は「オープンソースのツールと、急速に進展中のトヨタのロボットおよび自走車研究のためのプロプライエタリー(独占的)なツール両方のため」とある。

プラット氏は、「トヨタでは、室内、都市内、そして国の中で、より良く移動する方法を研究している」、「OSRCのチームは、優れた技能と先端的なプラットフォームを用い、TRIの研究プログラムの中核に寄与する」と語っている。また、ロボット産業の発展にとってオープンソース活動は、カタライザーとなるともしている。

とりあえずの契約は2年間で、従来の企業内R&Dの枠を超えた活動をさらに推進したいという。

『IEEEスペクトラム』にOSRFのブライアン・ガーキーCEOのインタビューが掲載されている。そのポイントは以下:

・過去数年、産業界からのROSやGazeboへの関心が高まっていた。しかし、非営利組織では真剣にビジネスをすることができなかった。

・今回の提携で、コミュニティーをサポートしつつ、企業と提携して、場合によっては特定の問題解決に取り組むことができる。

・TRIとの契約は、ROSとGazeboのサービスに関するもの。TRIが推進する車とロボットは、ROS とGazeboをかなり利用すると予想される。OSRCの役割は、これらが目標に合うよう機能を向上、拡張、調整すること。

・ROSのユーザーにとっては、今後も何ら変化することはない。

・OSRCの仕事は、ROSコミュニティーにも還元される。

 

タグ:

Comments are closed.


Copyright © robonews.net