家庭用、庭用ロボット市場は、2019年に29億ドルに。ABIリサーチの予測
調査会社のABIリサーチ社が、家庭用ロボット、庭用ロボットに関する市場調査を行っている。そのレポートが『Robotics, Automation and Intelligent Systems Market Research』調査のひとつとしてまとめられている。
その一部が公開されているのでご紹介しよう。
まず、世界の同市場はずっと上向き方向に伸びていく。2014年に120億ドルだった市場規模は、2019年には290億ドルに。2014年には340万個の家庭用、庭用ロボット製品が売れたが、この数が2019年には700万個にも達するという。CAGR(年平均成長率)は15.6%だ。
同社ロボティクス部門ディレクターのダン・キャラ氏は「この市場にはまだまだ伸びしろがあり、要素技術の発展によってパフォーマンスと自律性が高まってイノベーションが進む。価格も下がって、より広く受容される」と述べている。
その家庭用、庭用ロボットの売上による世界市場シェアを示したものが以下だ。
これを見ると、アイロボット社は家庭内の掃除ロボット市場ではよく知られているが、プール用のロボット市場ではほとんど名前が出てこない。庭用では、芝刈りロボットを開発するらしいとわかったところだ。
芝刈りのハスクヴァーナ社やプールのメイトロニクス社は、ロボット製品を出す前からよく知られたブランドで市場からの信頼も高く、それがロボット製品の売上にも影響しているという。
ハスクヴァーナ社は、芝刈り機、電動のこぎり、小型耕作機など幅広い製品で知られている。
また、メイトロニクス社はプール掃除ロボットだけでも10種類ほどの製品を発売している。プール掃除ロボットは、水中を遊泳しながら水を濾過してゴミを取り除き、ブラシで床や壁をこする。
ハイエンド・モデルは、リモートでのコントロールも可能で、充電式のものもある。
家庭内の掃除ロボットは、市場自体をアイロボット社が生んだとも言えるのだが、今や競合他社がたくさんいる。サムソン、LG電子、シャープなどの他にも、新しい会社が続々と参入している市場だ。
今後、家庭用、庭用のロボット市場は、もっと複合的に発展していくのだろうと思わせる。