ハリウッドで数々のロボットをデザインしたロバート・キノシタが逝去
1950年代のテレビ・ドラマ『Here Comes Tobor(トーボーがやって来た)』や、1956年に作られた古典的SF映画『禁断の惑星(Forbidden Planet)』、1960年代のテレビ・シリーズ『宇宙家族ロビンソン(Lost in Space)』に登場する、数々の人気ロボットを生み出したロバート・キノシタ氏が、12月9日に逝去した。100歳だった。『ハリウッド・レポーター』が報じている。
『禁断の惑星』に出てくるロボット「ロビー」は、特殊効果部門から出されたコンセプトを合わせて、木とプラスティックでミニチュアのプロトタイプを作ったという。それが監督に認められてすぐに実物大ロボット製作に取りかかった。同作品は、特殊効果でオスカーにノミネートされた。
また、『宇宙家族ロビンソン』のロボットは、人間の出演者と同じくらいファンレターを受け取り、ファンクラブが多数のレプリカを作ったという。
キノシタ氏は、当初計画されていたロビンソン家の宇宙船を改築して、リビングルームやダイニングルーム、ラボやロボット・ドックのある階下を追加したこともある。その際にはフォックス映画の裏に捨てられていた大道具の残りをつなぎ合わせて、コストを抑えたという。
キノシタ氏は1914年にロサンゼルスに生まれた。南カリフォルニア大学で建築を学んだが、映画に関心を抱き同業界へ進んだ。第二次世界大戦中はアリゾナの日系人収容所で暮らしたが、終戦前にスポンサーがついてウィスコンシン州へ移り、工業デザインやプラスティック生産の専門家になった。
その後再びカリフォルニアに戻り、数々の映画制作に打ち込んだ。1980年代まで現役だった。長寿の秘訣は「すっきりした生活と毎日1杯のリンゴ酢」と語っていたという。