米クリオン社のロボット・アームが、福島原発での汚染水漏えい処置に採用される
『ブルームバーグ』によると、カリフォルニア州の原発・廃棄物処理会社のクリオン社が福島原発の汚染水漏れを修理するロボット・アーム開発の契約を締結した。今回の契約はIHIを通したもの。福島原発に関して、クリオン社はすでに汚水浄化装置などで数回の契約作業を請け負っている。
このロボット・アーム「Fukushima Repair Manipulator(FRM)」は、2016年半ばに福島原発2号機に投入される予定で、作業には1年かかる。
同社のプレスリリースによると、これに先立って「Fukushima Inspection Manipulator(FIM)」というロボット・システムが漏れの元を探すために昨夏から投入されてきた。FIMでは遠隔操作無人探索機(ROV)を利用して貯蔵タンクや配管、トーラス部などの裂け目を特定。この第一段階で修理のために必要な情報を得た。FIMを用いた作業は2015年3月まで他の個所でも続けられ、FRM設計をさらに進め、第二段階にあたる修理作業の全容を決定するために役立てられる。
FRMが行うのは開口部を確保し、瓦礫や障害物を除去して、原発炉の配管やトーラス部の漏えい箇所に栓をすること。すべて遠隔地点から安全に操作可能という。ロボット・アームは切断、ウォータージェット、およびグラウト塗りのための最新ツールを搭載しており、これらのタスクを一連で自動遂行できる。
クリオン社のビル・ギャロCEOは、「どのプロジェクトも特殊で、そのたびにカスタム・ロボットを開発するエンジニアリング上の挑戦がある」と述べている。