「人間よりロボットの方がいい」。そう思う日がもうすぐやってくる?
『シンギュラリティー・ハブ』で、人間よりもロボットの方がいいと思う日がそのうちやってくると、ピーター・ディアマンディス氏が書いている。
同氏は、最先端テクノロジーに関するセミナーを企業関係者向けに開催するシンギュラリティー・ユニバーシティーの主宰者の1人で、またコンテスト形式でテクノロジーの進歩を促進するXプライズ財団の会長兼CEOである。
まず、同氏は現在ロボットがカンブリア爆発の時代に入り、研究所から現実の世界へどんどん出てきていると指摘。その背後にあるのは、次の4つの要素技術と言う:
・センサー(20年前には軍事秘密レベルのセンサーが10ドルほどで手に入るようになった)
・無限の計算能力(20年前のスーパー・コンピュータがスマートフォンになった。その上、クラウドにも接続してその能力は無限。センサーと組み合わせれば、ロボットは状況を認識して、リアルタイムでコンテキスチュアルな情報を理解するようになる)
・3Dプリント部品(ラピッド・デザインとプロトタイプ化が可能になり、生産の前にテストすることができるようになった)
・オープンソース運動(デザイン共有、ソフトウェア・アップデート、Q&Aなどを24時間利用できる)
その上で、消費者向けロボットへの5つの応用分野を挙げている:
- ドローン(今や50ドルで、iPhoneに画像を送信してくれるドローンが買える)
- 自走車(これもまぎれもなくロボット。自動車メーカー各社が開発中。グーグル自走車はすでに70万マイルを走行。テスラもモデルDでオートパイロットとガレージに入庫するシステムを発表)
- 小売ロボット(オシュボットなど)、警備ロボット(K5など)、ホテルのバトラー・ロボット(サヴィオーク社のボトラーなど)などがひとりでにやってくれることが多くなっている。
- 家庭用ロボット(ルーンバで始まった家庭ロボットは、今はスータブル・テクノロジーズ社のビームにまで進んだ)
- 医療サービス(ダ・ヴィンチのような手術ロボットだけでなく、患者をモニターする看護士ロボット、遠隔医療のためのテレプレゼンス・ロボット、患者をベッドから持ち上げる介護ロボット、高齢者の心を癒すロボットなどがどんどん利用される)
これらのロボットは、まだデザインとユーザー・インターフェイスの点で改良が必要だが、そのうち人間よりロボットを信頼するように状況は反転すると同氏は言う。
「高齢の医師があなたを手術しようとしたら? あるいはおしゃべりばかりしている店員を前にしたら?」と同氏は問いかける。ロボットが失敗なく手術をしてくれたり、売り場から商品を取ってきてくれて、その上礼儀正しく「ありがとうございました」と言ってくれたりする方が良くないか、と。