線虫の脳を搭載したレゴ・ロボットが動く
エノラブディティス・エレガンス は線虫の一種。その線虫の脳をシミュレートしたロボットの動きが、下のビデオだ。『スミソニアン』誌が伝えている。
これは、オープン・ワーム・プロジェクトに参加する科学者らによって実験されたもの。線虫の脳にある302個のニューロンの関係性をソフトウェアでシミュレートし、それをレゴ・ロボットに搭載した。オープン・ワーム・プロジェクトは、コンピュータの中でバーチャル・ワームを生み出すことを目的とする組織だ。
その結果、ロボットは鼻の先につけられたソナー・センサーで感じ取った環境への反応を、左右両側のモーターに伝えている。線虫にも左右両側にモーター・センサーがあるという。何の指示もなしに、ロボットが線虫の脳で動いているというわけだ。
これが高度に進められていくと、現実のすべてがシミュレーションと区別できなくなることにもつながる。テクノロジー研究者たちの中には、人間の全脳エミュレーションを目指している人々もいるのだが、これはその一歩を視覚化したものと言える。