次世代のロボットは、人間の助けが必要?
『テクノロジー・レビュー』が、人間の助けを必要とするロボットについて報じている。
このロボットは、カーネギー・メロン大学のマニュエラ・ヴェロソ教授の元で研究されているコーボット(Cobot)だ。コーボットは、研究室にやってきた客を受付で出迎えるのだが、その後は何かと人間頼りである。
エレベーターに乗り込むと「7階を押して下さい。あと、到着したら私の“済み”ボタンを押して下さい」などと言うそうだ。それだけではなく、モノを取って欲しいとか、探し物をしているなどといった場合に、近くにいる人間に向かって助けを求める。まわりに誰もいない時は、研究室の全員にメールを送信する。
コーボットは、自律的ロボットを研究してきたヴェロソ教授がたどり着いたひとつの回答でもある。アームがあってもロボットにモノをつかませるのは難しく、また人間の言葉を完全に理解するのも簡単ではない。そうなったらば、人間の助けを借りてタスクを達成するタイプのロボットにするのが得策だと考えたという。
カーネギー・メロン大学コンピュータ・サイエンス学部では、数台のコーボットが研究室間でパッケージを運んだり、来客を案内したりしているという。すでに合計数万時間をタスク遂行に費やしてきたようだ。
あれこれ頼みごとをするロボットにイラつく人もいるようだが、人間とロボットとのシンプルなやりとりが、ロボットのできることを拡大する意味は大きい。これは、今後人とロボットのインターフェイスが重要な役割を果たすようになることを意味する。
現在のコーボットは、あらかじめプログラムされたシナリオに添って頼みごとをしているが、これからはいつ助けが必要なのかを認識できるようにするという。