マサチューセッツ州は、ロボット開発インフラをさらに補強
ボストンを中心とするマサチューセッツ州は、アメリカのロボット開発の集積地のひとつとして知られている。同州がさらに開発力を強化することに乗り出していると『エクスコノミー』が伝えている。
今回新設が計画されているのは、マスロボティクス(MassRobotics )という名前のインキュベーター。非営利組織として、ロボットのスタートアップが作業できる共同オフィスを運営する。オフィスの賃貸料は徴収されるようだが、製作のための道具やテスト用機器にアクセスできるようだ。さらにここは、大学、スタートアップ、投資家、政府、大企業などの間を取り持ち、共同作業や交流ができるよう促進するとのこと。場所はケンブリッジの郊外のアレワイフ。
マスロボティクスを後押ししているのは、地元のテクノロジー業界団体マサチューセッツ・テクノロジー・リーダーシップ・カウンセル(Mass TLC)。また、場所は、医療関連の情報システム、および運搬ロボットを開発するヴェクナ社が提供、総合研究機関のドレーパー・ラボラトリー社も中心になっている。すべて地元の企業や組織だ。
マサチューセッツ州ローウェルには、すでにロボットのテスト施設のニューイングランド・ロボット実証および実験施設(NERVE)があり、ロボット開発者のためのサポート体制がますます整ってくるようだ。
下は、マサチューセッツ州周辺のロボット・エコシステムを示した地図。ロボット関連会社や施設が集まっているのがよくわかる(http://www.masstlc.org/より)。
これとは別に、かつて軍事施設のあった町である同州のデヴェンズを、ロボット関連機器開発の試験場にしようという構想もあるようだ。滑走路のほか、森、市街地など異なった環境もある。ドローンの試験場にはうってつけだろう。
マスロボティクスのアイデアは、有名なロボット研究者であるロドニー・ブルックス氏(リシンク・ロボティクス社創業者)から出たという。同氏がヴェクナ社を訪れた際、スペースに余裕があるのを見て、インキュベーター施設にぴったりだと語ったことが元になった。
ロボットの製作やテストには、それなりの場所が必要だ。日本にもこうしたサポート・インフラができるのだろうか。
マスロボティクスの概要書はここに。