グリシン氏の、ロボット・スタートアップへのアドバイス
ロシアで、一般消費者向けロボット開発を対象とするベンチャー・キャピタル、グリシン・ロボティクスを運営するディミトリ・グリシン氏が、『IEEEスペクトラム』のインタビューに応えて、ロボット・スタートアップへのアドバイスを与えている。ポイントは、もっと実践的、現実的にアプローチせよ、ということらしい。
グリシン氏のファンド規模は2500万ドル。すでにそのうちの600万ドルを8つのディールに投資した。その8社は以下だ:
・ダブル・ロボティクス(低価格のテレプレゼンス・ロボット開発)
・オーボティクス(ロボティク・ボールのスフェロを開発)
・スウィヴル(ロボット技術を用いたビデオ会議、および記録システム)
・ブームボティクス(ウェアラブルのオーディオ機器)
・ロボッツラボ(教育用ロボット・キットを販売)
・スパイアー(超小型の低軌道衛星開発)
・ペットネット(ペット用自動餌やり器開発)
・ボルト(ハードウェア・アクセラレーター)
同氏は、新たな投資機会を探っているが、「ロボットには夢見る開発者が必要だが、今は夢を見過ぎ」という。もっと実践的なアプローチが必要だというわけだ。また、大きな資金があることは、ロボットのスタートアップにとっては必ずしもいいことではなく、小さく始めて製品を練り続けていくことが必要と強調している。
たとえば、ポートフォリオ会社のひとつであるペットネット(ペット用の自動餌やり器を開発)は、センサーをつけてどれだけ餌を食べているかをモニターしたり、マイクロフォンやカメラをつけて、飼い主がペットと遠方からでもやり取りできたりする機能を加えていったという。こうしたアプローチを採ることで、ペットネットは製品の機能性と価格を最適化し、巨大なペット業界に破壊的イノベーションで臨む準備ができたという。
グリシン氏のアドバイスは以下だ:
- 日常的に何100万人もの人が抱えている問題を見つけて、それをロボット技術でどう解決できるかを考えろ。できるだけニッチの方がいい。
- ハードウェア開発は難しいから、そのつもりで。チームにはハードウェアとソフトウェアの経験者が両方いて、プロトタイプがあるとか予約販売直前の状態であるのが望ましいが、アイデアだけでもOK。
- 製造はキーとなる。起業家は製造分野での体験がもっと必要。アジアの工場とどうつき合うか、最後までどうやって品質を保つかなどの経験は重要。
- デザインを忘れるな。デザインは超重要ポイント。醜いロボットなど、誰も買わない。