サヴィオーク社のロボットは、こんな感じ
サヴィオーク社が開発中だったロボットが、やっと明らかになった。「サヴィワン(SaviOne )」という名前がつけられたこのロボットは、すでにシリコンバレーのホテルで稼働中と、『IEEEスペクトラム』が伝えている。
サヴィオーク社は、ウィロー・ガレージの元CEOであるスティーブ・カズンズが創設した会社。「サービス・ロボットを開発する」と言っていたが、それがサヴィワンというわけだ。
サヴィワンは、高さ90センチ、45キロ以下で、人間が歩くのと同じような速さで自律的に移動する。ホテルのようなところで、運搬を担うことができるとのこと。
ただ、これは最初のロボットで、サヴィオークはロボットのプラットフォームを構築していて、どんどん新しいロボットを開発するだろうと同記事は述べている。マニュピュレーターがついたようなロボットが次に出てくるのではないかというのだ。カズンズは、「病院、レストラン、ホテル、老人ホーム、そして身体障害者に役に立つロボット」を作りたいと語っていたとのことで、そのためには確かにアームが必要だろう。
デモ・ビデオなどを見る限り、このサヴィワンが運搬できるものも限られている。ひげ剃りとかタオルだ。だが、実際にはホテルでの運搬と言えば、ルームサービスが圧倒的に多いはず。ところが、サヴィワンの頭部についたコンパートメントはサイズとしてはとても小さく、皿に載ったハンバーグやソフトドリンクは運べそうにない。かと言って、病院内での運搬のために広く採用されているエーソン社の「タグ」のようにカートを取り付けられそうでもない。
『IEEEスペクトラム』では、おそらくこれはサヴィオーク社のMVP(ミニマル・ヴァイアブル・プロダクト)的なデビュー製品として発表されたものではないかと見ている。MVPとは、欲を張らず、多機能を目指さず、とりあえず核心の技術だけを盛り込んで世に出す製品のこと。
その意味では、サヴィオークのこれからに期待したい。
サヴィワンについては、『ニューヨーク・タイムズ』にも記事が出ている。