どこまでが研究で、どこからが武器か?
DARPAのロボティクス・チャレンジ(DRC)は、福島原発のような災害時に役立つロボットを作るという目的で開催された。ところが、こうしたテクノロジーの推進は、どこから武器の威力に様変わりするかはわからないと、警告を出している専門家らもいる。『NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)』が伝えている。
警告を発している一人は、ブルッキングズ研究所のセキュリティー専門家であるP.W.シンガー氏。『ロボット兵士の戦争』などの著書もある。
「DARPAのDは国防の意味」と釘を刺す同氏は、「科学者は時に、自分の仕事が武器システムに直接関係のあるはずはないと、見て見ぬふりをすることがある」と言う。海軍では、野球をするロボットも開発中だそうだが、飛んでくる球を認識する機能とミサイルを追撃する機能は類似している。
アメリカでは、DARPAからの補助金を受けていない研究者を探す方が難しいくらいという。これまでも多くの先端技術がDARPAのプロジェクトから生まれてきただけに、これは難しい問題だ。