ソニーはまだロボットにやる気? 同社が最近申請したロボット特許
『IEEEスペクトラム』が、ソニーがアメリカ特許庁に申請したロボット特許について触れている。
この特許申請はロボット機器に関するもので、「ロボット機器のコントロール、コンピュータ・プログラム、プログラム記憶装置」とタイトルが付けられている。かつてのキュリオ(QRIO)に似ているが、申請書の図では、二本足ではなく車輪付き台車に頭部と2本のマニピュレーターが載ったロボットが描かれている。
キュリオは、2000年に発表されたソニー・ドリーム・ロボット(SDR-3X)が元になっている。40軸で10本の指が個々に動いたが、機能性の面でどういった用途に使われるのかは不明だった。
一方、今回のロボットにはシンプルなグリッパーがついていて、床からモノを拾い上げるといったことができそうで、車輪付き台車によって安定して移動でき、製造コストも安いはずという。自由度は30軸で、立体カメラと魚眼カメラが頭部についている。
『IEEEスペクトラム』は、興味深いのはハードウェア部分よりも、カメラのための自己判断ソフトだと指摘する。複数のカメラから取得した画像を比較することで、床の上に見えるのが傷かゴミかがわかり、ハンドのシミとハンドがつかんでいる物体との違いも認識する。また、レンズが汚れている時には、自動的に汚れを拭き取ったりするのではないかという。
申請書の説明文には、高齢化が進む中で人間とコミュニケートしながら施設や家庭で使えるロボットが必要なことが書かれており、おそらくこれは家事ロボットとして目されているのだろうという。
ソニーは、卵型のミュージック・プレーヤー・ロボットのロリーを最後に、エンターテインメント・ロボット部門を2006年に閉じてからは、ロボット業界ではその活動が知られてこなかった。だが、ロボット開発を再開するなら楽しみだと同誌は結んでいる。
アメリカでも家事ロボット、介護ロボットの話題がポツポツと聞かれるようになってきた。ソニーがここへ参入するとすれば、かなりおもしろいことになる。