人間っぽい性格のロボットを作る

カーネギー・メロン大学の学生ラウンジに、変わった性格のロボットがいると『ウォールストリート・ジャーナル』が伝えている

ヴィクターには18種類の感情がある(www.wsj.comより)

ヴィクターには18種類の感情がある(www.wsj.comより)

このロボット、ヴィクターは、単語を組み立てる「スクラブル」というゲームの相手をするために座っているのだが、あまり強くない上に負け惜しみを言ったり、強気を装って悪態をついたりする。そうかと思えば、自動車の組立工ロボットの家庭に生まれた生い立ちを、ポツポツと語り始めたりする。

ヴィクターは、同大学コンピュータ科学学部のリード・シモンズ教授の研究室が、演劇学部の教授と一緒に作り上げた。「人と自然にやり取りできる」ロボットを求めたもので、「やや心もとない」タイプのロボットとして性格づけされている。「ちょっと勝っているからって、偉いなんて思うなよな」などと言ったりするのだ。

ゲームに強くないのは能力が低いから。スクラブルのゲームに使える単語数は、北米トーナメントで承認されているのが約17万9000語だが、ヴィクターの頭の中には、シャーロック・ホームズの本から流用した8500語程度しか入力されていない。どんなに頑張っても強くなれない。「あまり強いと、普通の人は一緒にゲームをしたくなくなる」ため、わざと能力を低く抑えてある。戦略的な勝負もできないとのこと。

というわけで、できの悪いロボットだが、その代わり感情表現は18通りと豊かで、不機嫌な顔をしたり悔しそうな表情をしたり、喜んだりする。そして、ゲームの展開ごとにタイミングよく無駄口を叩く能力だけは高い。

ビデオを観ていると、ヴィクターのおしゃべりはなかなか楽しい。能力が低いというのにも親近感が持てる。コンパニオン・ロボットは、ただ有能なだけでなく、こんな「性格」を持っている相手であることも大切なポイントになるだろう。

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