自閉症の子供たちとソーシャル・ロボットの関わり
『ベンチャー・ビート』が、自閉症の子供たちに役立つソーシャル・ロボットとの関係を伝えている。
ヴァンダービルト大学の調査によると、自閉症の子供たちは表現豊かな人間の顔に圧倒されがちだが、表情自体を変えられないロボットは馴染めるという。ロボットならば、目の前にしても、考えなければならないことが多くないからだ。
フランスのアルデバラン社製ロボット、ナオを利用し19人の自閉症の子供たちを対象にした2013年のノートルダム大学の研究では、子供たちがロボットと目を合わせたり、代わる代わるおしゃべりをしたりする指導をロボットに受けた結果、ソーシャル・ロボットが助けになるという希望が持てたという。
また最近では、ロボットとやり取りする場を医療施設に設定することで、自閉症を早い時期に診断することができるようになっているという。
1990年代から開発が進んできたこうしたソーシャル・ロボットは、もはや一部の目立たない研究領域ではなく、一般的な市場に向けた開発が進められる分野になっており、ロボットの価格も下がっている。
上記の研究で使われたナオは14000ドルもしたが、まもなくクラウド・ファンディングで資金調達を図る予定のロミボは数100ドルとなる予定。また、現在クラウド・ファンディングでキャンペーンを行っている車型のワンは、ディベロッパー・キットが150ドル以下だ。ワンは、自閉症児のデータも収集するという。
ただし、長期的に見てどんなロボットが好ましいのか、ロボット相手に習得したコミュニケーション・スキルが実世界にどれだけ通じるのかといった点は、まだわからないという。