ウィロー・ガレージで学んだこと。スティーブ・カズン氏流
ウィロー・ガレージのCEOを務めていたスティーブ・カズン氏は、サヴィオーク社というロボット・スタートアップを創設している。「人を助けるロボット」、「身体障害を乗り越えさせてくれるロボット」を目指しているようだ。
そのカズン氏がブログで、「ウィロー・ガレージで学んだ教訓」を10項目挙げている。参考になることも多く、またサヴィオキキ社が何をめざしているのかを感じられるので、要点を転載しよう。数字が10から始まっているのは、最後にいくほど重要度が増すという意味。
10. ともかくフォーカス(集中する): ひとつのプロジェクトに注力する。
9. マーケティングをまず先に: 何に役立つのかを問うことが重要。
8. 「研究市場」は撞着に過ぎない: アーリーアダプターではあるが、研究者は自分たちと同じような人間。そこから始めると、本当の市場を目指すのが難しくなる。
7. 家庭用対工場用の二分法はまちがい: 家庭と工場の間に、レストラン、ホテル、病院、高齢者施設などの大きなサービス業界がある。ここはロボットがまだ手をつけていない巨大な市場。
6. 40万ドルの値段は高い: PR2の価格の40万ドルは、特別な目的のためにはいいかもしれないが、サービス・ロボットには高すぎる。
5. メディアはロボットが大好き: ヒューマノイド・ロボットは人々の夢を誘う。しかし、映画や小説のロボットは人々に過大な期待をさせてしまう。
4. 少ないことはいいことだ: 最低限機能する製品(MVP=minimum viable product)は、スタートアップが数日ごとに繰り返すべきスローガン。ひとつ余計なものを加えるごとに、コストとリスクが上がる。
3. 完全に自律である必要はない: サービス・ロボットは全体のシステムの一部。環境や人によって補完されるのは自然なこと。
2. 1500万ドルを求めるのは、シリーズA投資には大きすぎる: 文字通り。
1. シンプルにするのは難しいけれども、その甲斐はある: 成功する事業は、製品の使い勝手、外見などすべてをシンプルにする。中味はどんなに複雑でも、シンプルに見せたネストがその好例。