リハビリテーション・ロボットが、脳卒中治療薬の臨床試験を速める
マサチューセッツ工科大学(MIT)のバイオメカニクスとヒューマン・リハビリテーション・ラボが、リハビリ用に開発されたロボットを用いて、新薬の臨床試験を70%も速めることができることが明らかになったとしている。MITが伝えている。
脳卒中治療の新薬は、現在限られた数しか臨床試験の後期段階にないという。また、フェイーズ3段階では800人の患者を対象とした結果が求められるが、効果を確認するのが難しい上、時間がかかり、多数の被験者を試した後に無効だと明らかになるケースがほとんどだったという。
同ラボは、リハビリ用ロボを脳卒中患者の身体の回復度を計測するために用いることで、治療薬の効果を効率的に確認することができ、それが臨床試験のスピードを上げることを確かめたという。
用いられるロボットは、MITメイナス。ビデオゲームを患者がプレイし、必要な場合にはロボットがサポートするという使い方がされてきた。臨床試験では、患者が腕を動かすと、そのスピードやスムーズさ、意図した通りに動いたかといったデータをロボットが収集する。そのデータを、人工的な神経ネットワーク・マップに連携させ、標準の臨床値との差を観測するという方法をとる。
この方法では、より詳細な回復データが収集可能で、また被験者数も240人で新薬の効果が確認できるという。
論文はここ。