クラウド・ロボットが抱える課題
先だって、ヨーロッパで始まったプロジェクト、ロボアースについて伝えたが、「エコノミスト」がこうしたクラウド・ベースのモノ(インターネット・オブ・シングズ)やロボットの課題について触れている。それはセキュリティーとプライバシーの問題だ。
セキュリティーの観点では、たとえロボアースのクラウド自体が安全でも、ノード(つまりロボット)のセキュリティーが脆弱でハッカーに侵入されるようなことがあれば、介護される患者などユーザーに大きな危険が及ぶということ。
またプライバシーの観点では、各ロボットから得られるデータを集め、保存し、共有するしくみが、現在政策策定者らに受け入れ始めている「プライバシー・バイ・デザイン」とは相容れないのではないかと危惧されるという。ここでは、デジタル社会における個人の権利やプライバシー問題について詳しいエレクトロニック・フロンティア財団(EFF)の弁護士の談話を引用している。「プライバシー・バイ・デザイン」とは、プラットフォームやアプリケーションがデフォルトの状態でプライバシーを護るように作られていることだ。
また、ロボットが介護を行っていると、介護に関して家族間でもめた際にはどうなるのか。そもそも、ロボットのクラウド・データが誰の手にも入るようになっていていいのかなど、安全弁を設けるために検討しなければならないことは無数にあるとしている。