ロボットが資本集約型産業というのは、間違い

「ロボット産業は、バイオテクノロジー産業よりも資本集約的でない」という論説が『IEEEスペクトラム』に転載されている。ドローン会社のテラヴィオン社創設者兼CEOのロバート・モリス氏によるもの。分析には、同氏が卒業したカーネギーメロン大学のMBAプログラムの教授らも関わった。

モリス氏の考察から。資産と売上を、ロボット産業とバイオテクノロジー産業とで比べた場合

モリス氏の考察から。資産と売上を、ロボット産業とバイオテクノロジー産業とで比べた場合

同氏によると、ロボット産業は多大な資本金がかかり、利益を生むにも長い時間がかかると勘違いされているという。ベンチャー・キャピタリストらからの投資が得られないのも、そうした勘違いが影響している。かのポール・クルーグマン教授も、企業利益と労働報酬の乖離について書いて話題を呼んだ論説(2012年)で、間違った理解をしているとする。

モリス氏らは、この分析のためにすでに公開企業となっているロボット会社10社のデータを使用した。インテューイティブ・サージカル、アイロボット、アデプト・テクノロジーなどだ。

一般的に資本集約的産業には、次のような3つの特徴があるとされる:(1)長期的アセットと長期的負債で溢れた賃貸対照表;(2)資産から生まれる売上がほとんどない;(3)資産を使用して生まれる利益が低い。

ところが、実際にロボット会社を分析したところ、その反対だったという。

(1)賃貸対照表では、短期投資とキャッシュが大きな部分を占める。

(2)資産から大きな売上が生まれている。

(3)それなりの利益があり、その利益は特に会社の資産規模と比較して大きい。

結果的に、ロボット産業の資本効率性はバイオテクノロジー産業と比べても良いほどだという。ロボット産業は資本集約的というよりは労働集約型産業であり、その正しい理解に従ってこれからのロボット研究を進めていくことがロボット産業の隆盛を左右すると、この論説は主張している。

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