DARPAロボティクス・チャレンジ(DRC)に参加する『アトラス』は、こんなロボット
先だって紹介したバーチャル・ロボティクス・チャレンジ(VRC)を勝ち抜き、今年末のトライアル戦に参加する7チームが利用するロボット、アトラスを、DARPA(国防総省高等研究開発局)が公開した。
アトラスを製造したのはボストン・ロボティクス社で、DRC用に改訂が加えられている。VRCではシミュレーターを利用してコントロール・ソフトウェアのできばえが競われたが、今度はそれを本物のロボットを動かすのに利用することになる。
アトラスは、身長6フィート2インチ(188センチ)、体重330ボンド(150キロ)と大柄。その他の特徴は以下:
・リアルタイム・コントロールのコンピュータ搭載
・油圧ポンプと熱制御
・アーム2本、脚2本、胴体、頭部で構成
・油圧アクチュエータによる28の関節部
・頭部のセンサーはカーネギー・ロボティクス社製で、Lidarレーダーおよびステレオセンサー付き
・ハンド(手)は、アイロボット社製とサンディア・ナショナル・ラボ製のもの2種類2セットが供与される
VRCからトライアル戦に進む7チームは、7月11日にボストン・ダイナミクス社に集まって、アトラスに関する説明を聞いたという。『IEEEスペクトラム』誌によると、DRCのプログラム・マネージャーであるギル・プラット氏は、「現時点でのアトラスの能力レベルは1歳児程度」で、これに各チームがプログラミング作業を行うことで「2歳児程度」になると予測しているという。
トライアル戦には、DARPAの補助金を受けてロボットとソフトウェア両方を開発するAトラックのチームも参加する。6月にDARPAのスタッフが各チームを訪問して設計審査(CDR)を行った結果、以下のチームが選ばれた(カギ括弧内はロボット名):
・カーネギー・メロン大学ナショナル・ロボティクス・エンジニアリング・センター「CHIMP」
・ドレクセル大学「Hubo」
・JPL(NASAジェット推進研究所)「RoboSimian」
・NASAジョンソン宇宙センター「Valkyrie」
・シャフト社(日本)
・ヴァージニア工科大学「T.H.O.R.」
VRC勝者の7チーム、Aトラックの6チームに加え、補助金を受けずにロボットとソフトウェアを開発するトラックDのチーム(その数はまだ不明)が、今年末のトライアル戦で闘うことになる。トラックDの登録も、DARPAのサイト上で開始された。
ちなみに、トライアル戦はフロリダ州マイアミのホームステッド・マイアミ・スピードウェイで、12月20〜21日に開催されることも発表された。気候が一定していて、雨の降らない場所が選ばれたとのこと。つまり屋外でのトーナメントであるということだ。トライアル戦は、一般にも公開される模様。
『IEEEスペクトラム』の関連記事には、ディテール写真も掲載されている。