ハックされて、家庭内をスパイするナオ

ロボットへのハッキングが危険だと警鐘を鳴らしているサイバー・セキュリティー会社がある。シアトルに拠点を持つIOアクティブ社だ。

同社は先ごろ産業ロボットや家庭用ロボットに侵入する調査を行い、人気あるユニバーサル・ロボッツ社ソフトバンクのペッパーやナオ、そして中国のUBテック・ロボティクス社のロボットは、外部から侵入して勝手に動かすことが可能だと明らかにした。

ハッキングされ、家の中を盗み見るナオ(https://www.ioactive.com/より)

『ブルームバーグ』によると、これらロボットはセキュリティーの欠陥により、ハイジャックされて室内を盗み見たり、動作して物理的に損害を与えたりすることもできると、同社のレポートは伝えている。

ユニバーサル・ロボッツ社の製品では、安全性機能も不能にすることができたとのことで、人間と並んで仕事をするコー・ロボットの代表的な存在であるロボットとしては、懸念される。また、ペッパーやナオでは、室内の録音や録画が可能で、そのデータを外部サーバーへ通信することも可能という。UBテック社のアルファ・シリーズのホームロボットでは、ユーザー側で生成されるデータを暗号化しておらず、サイバー・セキュリティー上大きな問題であると指摘されている。

IOアクティブ社は、ナオが室内を盗み見ているビデオ(すでに削除済み)や、アルファ2が奇声を上げてドライバーを握ってトマトを突き刺したりするビデオを上げている。

IOアクティブ社はさる3月に初期レポートを発表して、これらロボットの脆弱性を指摘していた。今回のレポートでは、ハッキングの技術的な詳細を盛り込んでいる。

ブルームバーグによると、各ロボット会社はすでにレポートの存在を認識している。ユニバーサル・ロボッツ社は「製品は常にモニターされている」と述べ、ソフトバンクはレポートで指摘された「脆弱性はすでに修正した」としている。

ただ、IOアクティブ社は、各ロボット会社には1月に接触したが、50件以上に上る脆弱性がすべて修正されたかどうかは不明としている。各社が明確にしないため、今回このレポートの公開に踏み切ったという。同社は、ロボットのセキュリティーは各設計段階で真剣に取り組んで欲しいと語っている。

タグ:

Comments are closed.


Copyright © robonews.net