ソフトバンクがフェッチ・ロボティクス社に2000万ドルを投入

ロボット業界におけるソフトバンクの存在がますます大きくなりそうだ。同社がアメリカのスタートアップ、フェッチ・ロボティクス社に2000万ドル(約24億5700万円)を投資するという。同社のプレスリリースによる。

フェッチ・ロボティクス社の製品。フェッチ(左)とフライト(右)

フェッチ・ロボティクス社の製品。フェッチ(左)とフライト(右)

今回の投資はAラウンド。創業ラウンドではオライリー・アルファテック・ベンチャーズシャスタ・ベンチャーズが参加して300万ドルを投入していた。今回のソフトバンクの参加により、フェッチ・ロボティクス社が受けた投資総額は2300万ドルになる。

フェッチ・ロボティクス社は、配送センターで利用されることを想定したロボットを2種類開発している。商品をピッキングするフェッチと、それを運ぶフライトだ。いずれも必要な時に自分でドックで充電しながら連続的に作業を行う。ロボットだけ、あるいは人間と一緒に働くという両方の設定が可能で、作業はタブレットから簡単に指示ができるようになっている。

同社CEOのメロニー・ワイズ氏は、「ソフトバンクが持つテクノロジー、製造、ディストリビューションに関する専門知識と世界に広がるリソースは、わが社の成長に大きく貢献する」と述べている。

同社のコア・メンバーは、アンバウンデッド・ロボティクス社の創業メンバー。その前は、ウィロー・ガレージ社に在籍していたメンバーだ。2社はいずれも閉鎖され、ことにアンバウンデッドでは製品のプロトタイプまで作り上げたのに、資金調達ができないという憂き目に遭った。今回は、2014年の創業、ロボットを発表してから6週間という短い期間で、次の資金調達にこぎ着けた。

『IEEEスペクトラム』によると、同社はこの追加資金で2回目の製造を行い、社員もさらに20〜25人増やす計画という。また、テクノロジー面でも新しいアーム・アクチュエーターやエンド・エフェクターを試したいという。またバッテリーも21時間持続して作業できるよう向上させたいという。

1回目の製造では40台のロボットを作り、間もなく出荷予定らしい。また、パイロット・プログラムもアメリカ国内で行っている模様で、同社ロボットの性能が間もなく明らかにされるだろう。

同記事によると、フェッチ・ロボティクスはヨーロッパでのディストリビューターを確保した様子。アジア地域でも研究用に特定して販路を構築中だが、まだ規制上の問題をクリアするなどの課題が残っているという。同誌は、フェッチ・ロボティクス社の現在の企業価値を5000万ドルと推定している。

いずれにしても、ロボット・スタートアップの快調な駆け出しを応援したい。また、ロボニュースは数週間前にフェッチ・ロボティクス社のインタビューも行っている。間もなく記事をアップしたい。

タグ:

Comments are closed.


Copyright © robonews.net