<イベント・レポート>DARPAロボティクス・チャレンジ決勝戦最終日 韓国のKAISTが1位

DRC2日目は土曜日なためか観客席は満席に近く、子供たちがたくさんいた。子供たちは、ロボットが扉のドアノブを回すと歓声を上げ、バルブを回すと叫び、ロボットが固まってしまうと「頑張れ、頑張れ」と声援を送る。にぎやかなことだった。それにしても、幼い年齢でこんなすごいロボットの数々を、ちょとした週末に見られるとは何とラッキーなことだろうか。

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子供以外に、会場にはグーグルCEOのラリー・ページがいたらしい。またロボニュースは、テスラCEOのイーロン・マスク一家とすれ違った。こういうものをちゃんと見に来ているのだなあと感心した。

それはさておき、最終日である2日目は昨日と違って、会場のテンションがかなり高まっていたように感じられた。ロボットの成績も、1日目に比べると全体的に向上していたように思う。

さて、最終順位は2日間の得点のうちよい方をチーム間で比べて決められている。得点は8つのタスクのいくつを遂行できたか、同得点ならばそれらを何分で行ったかが決め手になる。結果は以下だ。

第1位(賞金200万ドル)を獲得したのは、韓国の大学KAIST(韓国科学技術院)。第2位(賞金100万ドル)は、IHMCロボティクス、3位(賞金50万ドル)は、タータン・レスキュー(カーネギー・メロン大学と研究機関NERCとの合同チーム)だ。

KAISTは、新型のHuboでチャレンジに臨んできた。基本的にはヒューマノイド型だが、正座したように膝を折り畳むと車輪で移動できる安定したかたちになり、またウェストにあたる位置で上半身と下半身とが別方向に回転する。これでコンフィギュレーションをタスクに合わせて変えるというアプローチだ。リハーサルでも8タスクを軽々とこなし、優勝の下馬評は高かった。今回も44分半ほどで全タスクを終えた。

Robot - kaist

IHMCロボティクスは、VRC(バーチャル・ロボティクス・チャレンジ)で1位をとり、DRC予選ではシャフトに次いで2位になったチーム。安定した実力を見せる。余談だが、このチームはいつもガレージの飾り付けがユニークである。予選の際にはピットのすぐ外に長椅子が置いてあり、そこでメンバーが座ってモニターで競技を見ていた。予選時はクリスマスに近かったので、サンタクロースの帽子をかぶっていたメンバーが何人もいた。

Robot - IMHC

決勝戦でも、ガレージにやっぱり長椅子があった。そして帽子はアニマル風。実は、ロボニュースは以前フロリダにこのIHMCを訪ねたことがあるのだが、長椅子はいつもチームみんなが座ってミーティングをする場所になっているらしい。それをこんな競技の場にも持ってくるのだ。IHMCは、大学や企業から研究を請け負う研究会社で、ユニークな社風が感じられた。この件については、追ってレポートをお届けしたい。

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3位のタータン・レスキューは、1日目に8点を獲得していた。従って最終日の目標は時間を縮めることだったのだが、降車タスクのところで手間取ってしまった。

Robot - chimp

 

日本チームは昨日よりははるかに健闘したものの、高得点は採れず。ただ、日本人でない関係者に何人か尋ねたところ、「十分に準備をするための時間が足りなかったのだろう」という意見がほとんどだった。KAISTが、3年間ほどかけてHuboを調整してきたことを考えると、参加が決まってから、日本チームは約1年でハードウェアをゼロから作り上げている。

勝敗だけを見ると確かにイマイチな気分だが、チャレンジの真意はそこにはないし、技術力を判断するのも別の場所だろう。チャレンジは、このしくみを利用して研究や開発の限界を破ること。そして技術力、研究力はひとつの応用例では計り知れない。そのあたりは、研究者ら自身が見通していることだろう。

ギル・プラット氏とのインタビュー、大会後のブリーフィングの内容などについては、次回以降にお伝えしたい。プラット氏は、このDRC決勝戦が最後の仕事になるようだ。一時、グーグルに移籍するのではという噂も流れたらしいが、今後のことはまだ秘密という。秋頃には発表されるとのこと。功績あるロボット関係者として、注目される動きになるだろう。

第1位を獲得した韓国のKAISTチーム。中央の眼鏡の男性(右)が、Huboの生みの親である呉俊鎬(オ・ジュンホ)教授。

第1位を獲得した韓国のKAISTチーム。中央の眼鏡の男性(右)が、Huboの生みの親である呉俊鎬(オ・ジュンホ)教授。

 

 


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