日本のロボット革命は、アメリカの雇用を左右する

『マイアミ・ヘラルド』紙に、興味深い記事が載っていた。トランプ大統領は、日本のロボットとの関係を見習うべきという内容だ。

記事内では、日本のロボット革命やアジアのロボット政策を取り上げている。(http://www.miamiherald.com/より)

アメリカでは今、ロボットに関して奇妙な状況が見られる。一般の人々の間では、「ロボットが雇用を奪う」という脅威論が執拗に残っている。その一方で、アメリカに製造業職を取り戻すと訴え続けているトランプ大統領の口からは「ロボット」という言葉が全く聞かれないことだ。もちろん、ロボット・スタートアップはこれらとは無関係にどんどん増えている。

この記事を執筆したシンジケート・コラムニストのアンドレ・オッペンハイマー氏は、最近日本へ行ってロボット革命の政策や日本の社会状況を取材して回ったようだ。その結果、「脅威論ではなく、日本人がロボットに抱いている愛情」を見習うべきとしている。

ただし、その愛情というのは、産業ロボットやサービス・ロボットに対する前向きな取り組みのことを指している。人口が減少し高齢化が進む中で、日本が生産性を保つための新しい産業ロボット導入や、高齢者をサポートしたり見守ったりするロボットを開発していることを評価しているのだ。

特に産業ロボットでは、日本に限らず中国や韓国でもロボットへの投資がどんどん大きくなっている。このことを正しく把握しないと、アメリカは生産性競争で負けてしまうと、オッペンハイマー氏は警告している。

ボストン・コンサルティングの調査によると、アメリカの溶接工の時給は25ドルだが、同様の作業をこなすロボットのコストは8ドルという。またボール州立大学(インディアナ州)の別の調査によると、近年の工場作業員の失業の88%は、ロボットを含めたテクノロジーによるもので、自由貿易のせいではないという。

トランプ大統領は時代錯誤的な見方を改め、アジア諸国のようにロボットと親和性のある開発や労働者の訓練を進めないと競争で負けるだろうと、オッペンハイマー氏は警鐘を鳴らしている。

手本になったことは嬉しいが、日本のロボット革命の成果が出るのはこれからのこと。なるほど、というロボットにたくさん出てきてほしいものである。

 

 

 

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