ユニバーサル・ロボッツ社の製品がユニークな、その中味

『IEEEスペクトラム』が、デンマークのユニバーサル・ロボッツ社のエンリコ・クロッグ・イヴェーセンCEOとのインタビューを掲載している。イヴェーセン氏は、同社3人の共同創業者以外に最初に社員となったという。

同氏は、ユニバーサル・ロボッツ社のUR-5を持参で『IEEEスペクトラム』編集部へ乗り込み、あっという間にロボットを組み立ててデモをしたとのこと。

上のビデオは、記者がインターフェイスを利用してロボットを操作しているところ。

持ち運べるほど軽量のロボットであること、操作を覚えるのに数分しかかからないこと、人にぶつかっても止まることなどを見せてもらったようだ。

記事によると、同社の製品は今年は世界で4000台売れる見通しで、毎年倍のペースで増えている。今年の売上見通しは1億ドル。来年〜2017年にかけては2億ドルを達成するという。

UR-5は3万5000ドル、UR-10は4万5000ドルの価格。マシーン・テンディング、パッケージング、接着作業、塗装作業、研磨作業、アッセンブリングなどに用いられている。

インタビューの中でのポイントは以下:

・すべてのジョイント部には、メーカーと共同開発したモーター、ハーモニック・ドライブ社と共同で設計・改訂したギア、そしてエンコーダー・システムが組み込まれており、各ジョイントがそれぞれのサーボ・システムを形成している。

・ソフトウェア面では、Linuxで独自に開発したシステムで各ジョイント間のコミュニケーションが可能。

・Javaベースのユーザー・インターフェイスによって、操作上の複雑さを取り除いた。

・フォース・モニター技術が安全性につながっている。プログラミング・インターフェイスから、ユーザーがフォース・コントロールを設定することもできる。(記者は、「フォース/トルク・センサーの代わりに、モーターの電流をモニターしていると読んだが?」と質問したが、それには「そのあたりは企業秘密」と、この回答になっている)

・利用しているのは標準型産業用PCで、それが常時スピード、モメンタム、フォースをモニターして計算をしている。計算はジョイントごとに行われ、コントローラーの内部でも行われている。計算は8ミリ秒ごとに整列され、それが合わないとセイフティー・モードになる。安全システムは大部分がソフトウェアに依っている。

・コー・ロボット市場は注目の的で、今後競合企業も参入してくるだろうが、ユニバーサル・ロボッツ社はR&Dに投資して、顧客に価値をもたらすフィーチャーの開発を続けていく。最終的に顧客が求めているのは、新しいテクノロジーではなくコスト削減。

・この市場には、バクスタークカ社の製品、ドイツのゴムテック社が現在開発中のロベルタなどがあるが、アームに主眼を置いている。安全なアームと簡単なプログラミングをひとつのパケージで提供するのは、ユニバーサル・ロボッツ社だけだ。

・ユニバーサル・ロボッツ社が提供していないのは、グリッパー、センサー、ビジョン・システム。それらは、パートナー企業やインテグレーターが提供する。現在ではアプリのストアーもあり、無料のプラットフォームでインテグレーターや開発者がソフトウェアを売ることができるようになっている。

・ユニバーサル・ロボッツ社の製品は、数100分の1ミリ単位での繰り返し動作が可能で、毎秒8フィート(244センチ)の速度が出る。全方向に6自由度を達成。どんなタイプのグリッパーにも対応する。ロボットは、天井や壁に取り付けることも可能。

・売上の半分はヨーロッパ、4分の1はアメリカ、残りがアジア。いずれ、それぞれが等分になるだろう。南アメリカも動き始めているが、北アメリカでは毎年売り上げが倍増している。そのため、中西部と西海岸にも拠点を作る。現在の社員数は150人だが、今年中には190人になる見込み。

タグ:

Comments are closed.


Copyright © robonews.net