ドローンによる配達コストは、たった20セント

ロボットエコノミクスが、ドローンによる配送は実現可能かどうかを考察している。アマゾンだけでなく、DHLもテストを開始、またドローンのスタートアップであるサイファイ・ワークスも、配達を5年以内に目論んでいるという。

この記事では、スイス工科大学(ETH)チューリッヒ校のラファエロ・ダンドレア教授の話を引用している。同教授は、ドローンによる配達コストは、1回あたり20セント(約24円)と計算しているという。

アマゾンが30分配達に利用を検討しているドローン(http://www.amazon.com/b?node=8037720011より)

アマゾンが30分配達に利用を検討しているドローン(http://www.amazon.com/b?node=8037720011より)

ダンドレア教授は、アマゾンが買収したキヴァ・システムズの共同創業者でもあり、ETHチューリッヒ校ではフライング・マシーン・アレーナ(FMA)という、自律航空機のテストおよび学習スペースを作った人物だ。

同教授の計算は、配達するのは10キロの範囲で、荷物の荷重は2キロ、向かい風が風速30キロ以内という想定。ドローン自体の重量は4キロだ。これで、バッテリーの交換も含めて、配達のためのエネルギー・コストは10セントという。

これにドローン自体のコスト(1000ドル)と年間20%のメンテナンス費がかかって、5年間で償却するとすれば、年間コストは400ドルで、1日分は約1ドル。毎日10回の配達を行うとすれば、ハードウェアのコストは10セントとなる。

この10セントとエネルギー・コストの10セントを足して、1回あたりの配達コストは20セントという計算になるわけだ。

現在、アマゾンが1つの荷物の配送に費やしているコストは2〜8ドルと想定されているので、これがたった20セントになるのならば、かなりのコスト削減。ただし、配送センターから10キロ以内の配達がどのくらいの割合を閉めているのかなど、明確にはもっと詳細にわたる計算が必要だろう。

ダンドレア教授は、プライバシーや規制問題以外のドローン運用の課題を3つ挙げている。

・ドローンのデザイン(効率的でホバーリングでき、さまざまな環境下でも飛べるもの。商用航空機にも劣らない信頼性のあるもの)

・ローカライゼーション、ナビゲーション(非構造的で可変的な環境下で正確に配達するには、ローコスト・センサーとポジショニング・システムの統合が必要。この技術は現在、まだ開発段階)

・ドローン間の調整(何1000台ものドローンが同じ充電ステーションを共有するといった際に、相互の調整が必要)

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